
最初にこの舞台の企画を知ったのが
去年の3月。あれからほぼ1年にわたる私の中でのプロジェクト・・・内容がわかっては驚き、チラシがカッコイイ〜と喜び、チケットが届いてはこれまたカッコイイ〜と大喜びして、舞台が始まってからは感動に涙してきた
「朧の森に棲む鬼」。
本日千穐楽でした。
劇団☆新感線 「朧の森に棲む鬼」 大阪松竹座
前楽 2月24日(土) 17:30 <5回目観劇>
大楽 2月25日(日) 12:00 <6回目観劇>前楽夜の部と大楽、1階センターの9列と8列、ほぼ同じ座席位置で観劇。歌舞伎でよくいう“とちり席”にあたる席で、舞台全体が見渡せながらも役者さんの表情もよく見えるというとってもよいお席でした。白い光の中に「朧の森に棲む鬼」のタイトルが浮かび上がったのを見るだけでもうウルウル。千穐楽って、役者さんの気が抜けちゃって、いく分ゆる〜いカンジになることが多いと聞きますが、今日の千穐楽は全くそんな心配は無用でした。最後までハイテンション、力強さと気迫に溢れ緊張感漲り、それでいて大楽特有のお遊びやアドリブもあって、温かい雰囲気、ほぼリピーターが占めると思われる客席も的を心得ていて、ほんとうにいい舞台でした。
大楽のアドリブの中で一番好きだったのは、ライがヤスマサ将軍の手紙を読むシーン、キンタがツナに殴られて、「ほら〜、とばさないからこんなことになる〜」と訴えると、ライがキンタをよしよしっていう感じでハグしたところ。ライからキンタへ、染五郎さんからサダヲさんへ、この2ヵ月ずっと一緒にやってきた気持ちを表わしているようで、何とも微笑ましかったです。
昨夜観た時点で、今さらながらマダレの存在の大きさを再認識しました。たとえばライがシュテンと対峙している時、目の見えなくなったキンタがライに切りかかってくる時、そしてツナがライに憎しみの刃を向ける時、マダレは黙ってただそれを見ている。ポーカーフェイスの顔に幾通りもの複雑な表情を浮かべて。舌先から出てくる言葉を駆使して生き抜いていくライと対照的な寡黙さ。それで一層最後の森で、「何もかもあいつの思い通りになるのが気に入らなかったのかな。」っていうセリフがすごく重みを帯びてきます。
1回目に観た時、「市川染五郎と最初から対立して火花を散らす役どころで観たかったな」と書きましたが、前言撤回。この存在感は古田新太でないと出せない。

そんな訳でかなりふるちんLove

再燃のところへ、拍車をかけるようなサプライズが今日の大楽に待っていました。
幕間でロビーに出たところで
「1階ロビーで古田新太のサイン会を行います」のアナウンスが。「ええ〜っ

」と慌てて階段を駆け下りると、緑色のマダレの扮装のまま、1階ロビーカウンターでニコリともせずサインを続けるふるちんの姿。「何にでも書きます。ティッシュにでも」って係の方。ティッシュって・・・。プログラムはもちろん、チラシ(←私はコレ。「こんなものしかなくってゴメンナサ〜イ」と言ってサインしてもらいました)やチケットや封筒やメモ帳、差し出されるものに黙々とサインをして一人ずつ丁寧に握手までしてくれたふるちん、サイコーです

そのマダレの紹介は、昨夜「かぶと虫さん」 本日「オカン」でした。
そして、ライ。
すばらしいものを見せてもらったという他ありません。
何度も書きますが、姿カタチ、動きの美しさが際立っていて、ストーリーの展開は別にしてもずっと見ていたい気分でした。最初の頃、剣に操られながらの立ち回りに始まり自分の意志で自在に剣を使うようになるまで、華麗で美しい刀さばきと殺陣のスピード感は群を抜いています。検非違使のふわりとした衣装を翻しながら、舞台のあちらこちらから登場しての殺陣は余人を寄せつけない美しさ。その検非違使の衣装、ウラベを斬る時の白いマントと紫の軍服、牢獄のシーンの黒と赤の衣装、が衣装のマイベスト3。
さらに凄かったのは表情です。サダミツに「俺をハメようなんざ100年早ぇんだよ」と言い放つゆがんだ口、血人形の契りの本当の意味を知った後、1幕最後「鬼より恐ろしいもの・・・それはこの俺だ」と叫ぶ怒りに燃えた目、目が見えなくなったキンタへの哀れみの混じったうすら笑い、ツナの乳房をつかんで「やっと食べごろだ」と嘯いての舌なめずり、シュテンを殺した後、朧たちに闘いを挑み両手を広げて憑かれたように花道を駆け抜ける鬼の形相、「悪党が情に流されたらおしめぇなんだよ」と言い放った直後にキンタが現れた時の驚愕とキンタの言葉を聞く時の怯えたような混乱と苦悩の眼差し、そして、最期の森のシーンでの「アニキが生きているのか死んでいるのかわからなくなった」とキンタに言わしめるイッちゃった目。魂の咆哮のような叫び。・・・思い出しただけでも涙

こんな役を染五郎さんのために書いてくれた中島かずきさん、いのうえひでのりさんはじめ、出演者、スタッフ、この作品にかかわってくれたすべての人に感謝したい気持ちでいっぱいです。そして、この舞台に出会えた幸せを感じずにはいられません。
いつまでも朧の森を彷徨っていたかったけれど、お別れです。ライ。
会えてよかった。ほんとうにありがとう。さようなら。
続きを読む