5月に南座の「三響会」で観た『五人三番三』がとても迫力があって楽しかったので、「狂言観てみた〜い」と思っていたところ、たまたまこの公演があるのを知って、やはり「五人三番三」をご覧になったおまさぼうさんをお誘いして、私にとっては初めてのフル狂言鑑賞となりました。納涼茂山狂言祭2008
7月26日(土) 6:00pm 大槻能楽堂 脇正面か列
「粟田口」 大名: 茂山七五三 /太郎冠者: 丸石やすし/すっぱ: 茂山千三郎
「無布施経」 出家: 茂山千作/檀家: 茂山千之丞
「吹取」 男: 茂山逸平/何某: 茂山宗彦/女: 茂山童司/笛: 帆足正規/後見: 茂山あきら
正面の人にも脇正面の人にもお顔が見えるように舞台の中央対角線上斜めに向かって正座なさった茂山あきらさんの軽妙なプレトークから始まりました。人間国宝の茂山千作さんと千之丞さんという大御所が上にど〜んと構え、「ちりとてちん」でも人気の茂山宗彦くん・逸平くん兄弟、茂山茂くん、茂山童司くんなど若手からは突き上げられ、「『五・七・あ』(千五郎さん、七五三さん、あきらさんのことらしい)は中間管理職」と笑っていらしたあきらさん。同じ中間管理職のわが身を顧みて、こちらも思わず苦笑い。
チケットを買う時からして「脇正面って何?」「正面と中正面ってどう違うの?」っていうくらい超初心者の私。初めて観るっていうのに、予習もせず、誰が出るということ以外に予備知識もナシだったので、言葉とかいく分わからない部分もありましたが、何ともやわらかでとぼけた雰囲気の狂言は温かみがあって、とてもくつろいで楽しむことができました。
まずは狂言師の方々の朗々と響くよいお声にびっくり。
特別な扮装やメイクを施す訳でもなく、凝った装置がある訳でもなく、観る者のイマジネーションに委ねられたような舞台。演者は舞台上を好き勝手に動くのではなく、舞台の四角い外枠と対角線上だけを進むと決まっているようです。それでも、それで家の内外や場所の移動や時間の経過まで見えてくるから不思議です。
どの演目も楽しかったですが、特に印象に残ったのは茂山千作・千之丞ご兄弟による『無布施経』(ふせないきょう)。檀家(千之丞)の家にお経をあげに来た出家(千作)が、毎月もらえるはずのお布施が出ないので仕方なく帰ろうとするものの、思い直して何とかお布施を忘れていることを相手に思い出させてお布施をいただこうと四苦八苦する・・・なんていう、何となく私たちの日常にもありそうなシチュエーション。
出家を演じる千作さんは今年89歳。何とも愛嬌があって憎めないお坊さんです。これを受けて立つ千之丞さんのとぼけっぷりがまたすばらしくて、お二人ならではの絶妙な間での掛け合いに何度声をあげて笑ったことでしょう。その後に演じた若い宗彦くん・逸平くん兄弟も、ずっと精進して、やがて偉大なお祖父さまたちのようになるかしら。

Tシャツ、手ぬぐい、携帯クリーナーに来年のカレンダーまで。
プログラムはこんなエコバッグに入っていて700円。演目の紹介やリクエスト狂言結果発表、狂言ぷち解説に出演者紹介もあってなかなか充実の内容です。
エコバッグは薄いからちょっとコンビニに行くくらいしか入らない・・から、一人7つ買って毎日ひとつずつ使ってください、ってあきらさんはおっしゃってたけど、のごくらく度
藤十郎さんの乳人政岡は、鴈治郎さん時代に2度、松竹座で拝見しています。いずれも仁木弾正は仁左衛門さんでしたが、「御殿」「床下」の場のみで、「竹の間」や飯炊きが省かれているとはいえ、「花水橋」から「刃傷」まで、通しで観るのは初めてで、筋の流れもよくわかり、とても楽しむことができました。
ショスターコビチ、ラベル、エルガー、ラフマニノフにバーンスタイン・・・
チェーホフは戯曲に主役を置かず、「それぞれが喋っている時が主人公」としたのだとか。



何だか爪も軽くてイイ感じ。
眠ってるときに見る夢と心に描く夢−ふたつの「夢」は同じ文字。
いのうえひでのりさんによると、『アカドクロ』が「いのうえ歌舞伎」の最高傑作であるのに対し、『アオドクロ』は新感線エンターテインメントの集大成、ここに新感線の全てがあると言っても過言ではないのだとか。歌あり踊りあり、笑いあり涙あり、もちろん派手な立ち回りもたっぷりあり・・・まさにThe 新感線な舞台を鮮烈な映像で楽しませてくれます。


今さらというカンジではありますが、一度食べてみたかった
いただいたのは、若名物「元祖 塩鍋」。
こちらも名物の自家製 さつま揚げ。
舞台を映像化したものを観たら、「あ〜、舞台観たかったな」と思いますが、この作品を観た後はあまりそんなふうに感じませんでした。よくなかったからというのではなく、映像作品として高度に完成されていて、十分過ぎるくらい満足したからです。時として、舞台を撮影したものであることも、歌舞伎であることさえも忘れてしまうくらい集中して楽しむことができました。冒頭の行灯部屋以外はすべて岩亀楼の「扇の間」で物語が展開されるのも映像向きだったのでしょう。









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