歌舞伎座百二十年 四月大歌舞伎 夜の部歌舞伎十八番の内 「勧進帳」
4月20日(日) 4:30pm 歌舞伎座 2階3列センター
出演: 武蔵坊弁慶 片岡仁左衛門/富樫左衛門 中村勘三郎/
亀井六郎 大谷友右衛門/片岡八郎 河原崎権十郎/
駿河次郎 市川高麗蔵/常陸坊海尊 市川團蔵/
源義経 坂東玉三郎
ついに泣かぬ弁慶も、一期の涙ぞ殊勝なる
安宅の関で知力をつくして義経を守りぬき関所を通り抜けた後、富樫の疑惑を欺くためだったとは言え義経を杖で打ち据えたことを詫びる弁慶。大きな体を二つに折るようにひれ伏して一期の涙・・・生涯でただ一度の涙を流す弁慶の姿にこちらまでもらい泣き
寄る年波のせいかとみに涙もろくなっている私ですが、「勧進帳」で泣いたのは初めてでした。
片岡仁左衛門のつくり出す弁慶は、スーパーマンではなく、とても人間的な、強さも弱さも厳しさもやさしさも併せ持つ魅力にあふれた人物で、義経への思いがあふれていました。
安宅の関で富樫の追及をかわす時には毅然として自信にあふれています。勧進帳の読み上げやそれに続く山伏問答という丁々発止のやり取りは緊迫感が漲り、とても見応え聴き応えがありました。これまで幾度となく観てきた「勧進帳」ですが、山伏問答をこんなにしっかり聴いた(というより聴けた)のは初めてではなかったかしら。義経を打擲する際にも弁慶は迷いの片鱗も見せません。その弁慶が関所を通りぬけると一転して、うなだれてまるで消え入りたいと言わんばかりに体を小さくして義経に詫びるのです。本当に義経のことを敬慕していて、義経を守るためのやむにやまれぬ行為だったことが痛いくらいに伝わってきて、そりゃ判官だって御手を取り給うというものです。
延年の舞を舞いながら義経一行を先に行かせ、富樫と別れて花道に一人残る弁慶。
まず富樫のいた方角へ向かって頭を下げ、次に天を仰いで感謝を捧げ、再び正面を向き直った時には厳しい表情をしています。安宅の関はなんとか切り抜けることができたけれど、これから先まだまだ続くであろう困難を見据えているかのようでした。その厳しい顔つきのまま飛び六方で花道を走り去って行くのですが、これまで、安宅の関をうまく越えられたことを弁慶が喜んでいたり安堵しているように捉えていた飛び六方とはイメージが違っていて、この先にこの主従を待ち受ける悲劇も暗示させる、万感の引っ込みとなりました。
このトリオでの「勧進帳」はこれが見納め?のごくらく度









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やっぱり、仁左様弁慶にやられました??
もう拝見することが叶わぬかもしれぬ、仁左様弁慶を楽日にもう一度しっかりと拝見してきます。
こちらからもTBさせて頂きますね。
仁左さまの弁慶、仁左さまの弁慶、仁左さまの弁慶・・・・
呪文のように唱えても観に行けないのが悲しい(T_T)
やっぱりこれで見納めなのかなぁ〜〜〜〜〜〜〜。
TBとコメントありがとうございました。
とてもすばらしい弁慶でした。
私もこんなに勧進帳読み上げや山伏問答を聞き取れたというか(?)理解できたのは初めてかもしれません。
(もっとも、内容を前に観劇した時に比べると文言を知っていたからかもしれませんが・・・)
ハァ・・・・思い出してもため息しか出ません(笑)
こちらからもトラックバック送信しました。
わたしは昼の部だけの観劇でした。
やっぱり夜まで観たかったなあ!と思いました。
「勧進帳」まだ全部きちんと観たことがないのです。
逃した魚は大きい!
>このトリオでの「勧進帳」はこれが見納め?
ええーっ?!ほんとにそうなってしまったら、
逃した魚は大きすぎ・・(泣)
はい。ヤラレましたぁ。
仁左衛門さんはこれまで富樫しか観たことがなくて、
そのイメージが強かったのですが、これまでに観た
どの弁慶とも違っていました。
千穐楽のご観劇うらやましいです。
どら猫さんのレポ、楽しみにしていますね!
いや、ほんとにね、「仁左さまの弁慶」か「弁慶が仁左さま」かでしたよ。
見納めと思っていても、「女殺油地獄」のようなこともありますし、
楽しみに待つと致しましょ。
私は仁左衛門さんの弁慶を拝見するのは初めてだったのですが、
泣いたのも初めて、山伏問答に聴き入ったのも初めて、という
初めてづくしの「勧進帳」となりました。
永久保存版にしたいような、すばらいしい弁慶でしたね。
私は昼夜通しで観たのですが、やはりこの「勧進帳」が
最も印象に残りました。ほんとは松羽目物は若干苦手で、
大きな声では言えませんが「勧進帳」もこれまで途中で
落ちてしまったことも何度もありますが(笑)、今回は
最後まで緊張感を持って観ることができました。
「これで見納め」というのは、筋書のインタビューで
仁左衛門さんが、「このトリオの『勧進帳』は、もうこれが
見納めかもしれませんよ」と語っていらっしゃるものです。
でも最後に(笑)とついていましたので、全く本気という訳
ではないのかも(?)
もう一度幕見をと仕事帰りにかけつけましたが玉砕。もう人気高すぎ!
主君オーラの玉三郎義経と忠臣オーラの仁左衛門弁慶のこの主従の絆を見たら、熱血漢の勘三郎富樫は自分の命を投げ打つしかないなぁという「勧進帳」でした!
>「このトリオの『勧進帳』は、もうこれが見納めかもしれませんよ」......私もそんな気がしているので、何かで記録していて欲しいと思っています。「ふるあめりかに〜」も突然シネマ歌舞伎で登場させてくれたので、今回の「勧進帳」もシネマ歌舞伎にしてくれているといいなと思うんです。何も記録がされないのは歴史的損失です!キッパリ!!
千穐楽をご覧になったなんてうらやましいです。
仁左衛門弁慶のことしか書けませんでしたが(笑)、
玉三郎義経、勘三郎富樫、この三人の「勧進帳」に
立ち会えた私たちは幸せですね。
>何も記録がされないのは歴史的損失です!
ほんとにその通りですね。
初心者にもわかりやすい「勧進帳」になっていましたし、
玉三郎さんと勘三郎さんはシネマ歌舞伎の常連ですから、
ぴかちゅうさんのおっしゃる通り、突然シネマ歌舞伎に
なるかもしれませんね〜。熱望!