藤十郎さんの乳人政岡は、鴈治郎さん時代に2度、松竹座で拝見しています。いずれも仁木弾正は仁左衛門さんでしたが、「御殿」「床下」の場のみで、「竹の間」や飯炊きが省かれているとはいえ、「花水橋」から「刃傷」まで、通しで観るのは初めてで、筋の流れもよくわかり、とても楽しむことができました。関西・歌舞伎を愛する会第17回 七月大歌舞伎 昼の部
7月26日(土) 11:00am 大阪松竹座 1階2列センター
「伽羅先代萩」 花水橋/御殿/床下/対決・刃傷
出演: 坂田藤十郎 片岡仁左衛門 尾上菊五郎 尾上菊之助 市川左團次 市川團蔵 中村魁春 片岡秀太郎 片岡愛之助 ほか
息絶えた千松を前に、栄御前(片岡秀太郎)の傍らに鎮座する政岡(坂田藤十郎)。
栄御前、八汐(片岡仁左衛門)、沖の井(中村魁春)、松島(片岡孝太郎)のやり取りを「顔色ひとつ変えず」聞いている、ということですが、私には心ここにあらず、といった風情に見えました。何も耳に入らず、微動だにせず、放心したようにただ千松を見つめている政岡。
帰っていく栄御前を花道入口で平伏して見送る政岡。
ゆっくり顔をあげていく政岡の目から涙がぽたぽた床にこぼれ落ちるのを見た瞬間、もうこらえきれませんでした。大泣きです
ひとりになった政岡。すぐに千松の元に駆け寄らず、確かめるように、そして自分に言い聞かせるように悲しみをつのらせていきます。やがて、辛さも悔しさも悲しさも愛しさも、すべての感情を露わにし、ふり絞るようにわが子にかけた言葉が、「でかしゃった でかしゃった でかしゃった・・・」。これをまるで狂ったように何度も何度もくり返し、全身から母の愛と深い悲しみを迸り出す政岡。「三千世界に子を持った親の心はみなひとつ」・・・坂田藤十郎 入魂の熱演です。
そして、ハンカチで拭う涙も忘れさせるような場面が次に。
鼠が逃げ去ったスッポンから煙が立ち昇り、その中から登場する仁木弾正(片岡仁左衛門)。
妖気・殺気・色気・・・いくつもの「気」を発しながら私たちの前に現われると、客席中が静まり返って視線が一点に集中します。左斜め下に目線を流し、ニヤリと不敵に笑う弾正・・・え?今の視線、ワタシに?
ゆらめく蝋燭の炎とともに、悠然と花道を歩いていく弾正。その後姿は揚幕の中から照らされるライトにシルエットで浮かび上がり、まるでこの世の人ではないかのよう。光の中に溶け込んでいく後姿に最後まで目が釘付けでした。過去にも観ているはずなのですが、いや〜、ヤラレました。
「刃傷」の場での仁左衛門さんの迫力ある殺陣やピタリ決まる見得のカッコよさ、そしてその若々しさにもとてもびっくり
昼の部では菊之助さんは二役とも見目麗しい男衆。水もしたたる男っぷりでしたのごくらく度
![Powered by 269g[ブログ・ジー]](http://269g.jp/img/269g.gif)
おかげさまで、お芝居のみならず、幕間すべてにお楽しみが詰まった松竹座の一日になりました。
金曜夜から怒涛の5連続観劇も無事に終了。
一祭り終わった感じですが、観劇レポの宿題(?)が・・・(汗)
またお目にかかれますことを、楽しみにしています〜☆
無事東京にお帰りですね。お疲れさまでした。
天神祭とともに大阪にいらっしゃって、観劇祭+思わぬhappyな出会い
もおありになったご様子で、本当に充実の3日間でしたね。
短い時間でしたがご一緒できてとても楽しかったです。
cocoさんにはまだまだ教えていただきたいこともいっぱい(笑)。
またぜひご一緒させてくださいね!
久しぶりに充実した先代萩を拝見することが出来ましたよね。
楽日にもう一度拝見できるので、今からわくわくしています。
熱演というか、力技のような政岡でした。
毎回あんなにぼとぼと涙を流してらっしゃるかと思うと・・・
凄いのひと言です。
弾正がまた、ね〜。
千秋楽にもう一度ご覧になるなんて、うらやましいです。
どら猫さんのレポを楽しみにしています。
少しずつカットされているせいか沖の井と松島の存在が
今回はあまり印象になかったんです…。
藤十郎さんの政岡、あの涙は凄いですね。
最初汗かと思ったくらいポタポタ落ちていたので、涙だとわかったときは
それだけでこちらまで泣かされてしまいました。
そして、仁左衛門さんの八汐のあの意地悪な顔もさることながら、
その後の仁木弾正にはもう完全に酔わされてしまいました。
藤十郎さんも凄かったですね。
やわらかいお役でしか観たことがなかったので、
あの狂ったように悲しみに暮れる姿には驚き、また
圧倒されました。
あれはすでに遠い昔のように思えてしまいますが、
今月はじめのことだったのですねえ・・
頑張って出かけてほんとに良かったです♪
コメントをありがとうございました。
TBをさせていただきますね。
とっても面白く拝見しました!
おふたりのガチンコ入魂、見ごたえありましたね。
時代物の醍醐味と申しましょうか、熱かったです!!
そうですね。「竹の間」では沖の井大活躍ですものね(笑)。
藤十郎さんの政岡には毎回泣かされるのですが、
自分が年をとったせいか涙もろくなって、今回が一番泣けました。
仁左衛門さんはほんとに何をお演りになってもすばらしくて
仁左衛門さんのやる役やる役が好きになって困ります(笑)。
満を持しての観劇が実り多かったことをお喜び申し上げます。あの日の高揚は凄かったです。やや高齢化した大向こうさんも頑張っておられました。
やっぱり大顔合わせの大一番はええもんです。
美声の若者たちも爽やかでした。
また,楽しいパワーランチタイムをありがとうございました。前後に詰め込みすぎずオフ会の余力を残しますぅ。
藤十郎さんは観ていて時々男性であることを忘れます(笑)。
特に今回の政岡は、短かったせいか忠義の乳人というより
母性があふれていて、泣かされました(涙)。
仁左衛門さんは悪の魅力全開でしたね。
姿の美しさもさることながら、妖しさも色っぽさも、
「刃傷」では力技も見せていただいて、大満足でした。
そうそう、政岡と直接対決したのは八汐。でも印象的には
政岡 vs 弾正 っていう感じでしたね。
ほんとうに見応えのある先代萩でした。
それにしてもお二人ともお若いですよね〜。
もっと早く観ていたらもう一度観ることができたかも
しれないと少し悔やんでいます。
あの日はほんとに舞台も客席も熱かったですね。
>やや高齢化した大向こうさんも頑張っておられました
はい。あの声はかなり耳に残ります(笑)。
こちらの方こそ、ランチのお仲間に加えていただいてありがとう
ございました。とても楽しかったです。
私も今度はおどんぶり食べてみようっと。
じつは花裏のすっぽんに近くにいました。
床下では後ろ姿のかっこよさにみとれました。
ふときづいたらむこうがわはうっとりしてとろけている女性ばかりでした!
火夜さまもあの日いらっしゃったのですね!
>むこうがわはうっとりしてとろけている女性ばかりでした!
間違いなくその中の一人です、ワタシ(笑)。
でもあれに見とれない女は(もしかして男性も?)いませんよね〜(^^♪
過去にもこのお二人の政岡と弾正で見られてるんですね。
私は初見でしたので、なんちゅう人たちや〜と思いました。
藤十郎さんは母性全開になってからが凄まじく、
泣けて泣けて仕方ありませんでした。
仁木弾正の登場がこの後でよかったです(笑)。
今泣いたくせにと、自分でもあきれるほど弾正にハート持っていかれちゃって。
そこまでのめり込める素晴しい舞台だったということですよね〜♪
スキップさんはまたこのお二人で見たいですか?(笑)
この演目を初めて観た時は仁左衛門さんはまだ孝夫さんだったと
記憶しています。もちろん若い頃もステキですが、お歳を重ねて
より妖艶により色っぽくなっていかれるようで、凄いですよね。
藤十郎さんの深いお芝居は好き嫌いが分かれるようですが、
私は最初に観た政岡が藤十郎さんだったので、政岡=藤十郎さん
みたいなことになっています。三つ子の魂・・・っていいうやつかしら(笑)。
>スキップさんはまたこのお二人で見たいですか?
う〜ん、どうかな?(笑)
この演目自体、しばらくお腹いっぱい、という感じです(爆)。