2006年05月04日

ライフ・イン・ザ・シアター

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市村正親・藤原竜也の2人芝居 「ライフ・イン・ザ・シアター」観劇
5月3日13:00 シアター・ドラマシティ 5列センター

劇団の看板俳優ながら全盛期を過ぎて老いの陰が忍び寄るベテラン ロバートと若く輝くばかりに前途洋々の新進俳優ジョン−2人の楽屋や衣裳部屋、舞台での会話がオムニバス形式で綴られます。

もしも私が役者で、藤原竜也のような若くて才気あふれる、ルックスも素晴らしい後輩役者が現れたら、羨望と嫉妬と、何とも言えない複雑な感情に苛まれるに違いない。役者ではないけれど、仕事を持つ者のはしくれとして、若い才能をまばゆく見つめたり、振り返ってわが身の衰えを感じたりという経験も少なからずある。ロバートがジョンに向かって言う「若過ぎるという弱点は若さという武器だ」という言葉は身につまされる。

そういう意味でこのお芝居はちょっと“苦い”。

私の持っている「2人芝居」というイメージとは少しはなれた舞台づくり。
場面転換や衣装替えが多く、2人がじっくりセリフでぶつかり合う、というカンジではありません。劇中劇も多用され、色々な場面やお芝居を楽しめるのはうれしいけれど、もう少し“がっぷり”組んだ2人を観たかったなという印象です。

市村正親は上手い。
でも、あの軽いカンジというか、笑いを誘おうとするかのような役づくり(実際におかしくて笑ってしまうのだけど)がこのロバート役にはどうかな?好みの分かれるところだとは思いますが。
幕切れの演技は切なかった。終演後、誰もいない客席に向かって“カンパニーを代表して”挨拶をするロバート。そこへ守衛が早く帰れと言っていると言いに来るジョン。「もう帰るよ。お疲れ様。」というロバートに「お疲れ」と応えるジョン。二人の立場が逆転してしまったことを表していて、何とも寂しげな声と哀愁を帯びた眼のロバート。

藤原竜也。相変わらずステキです。
今この役をやる俳優を他に思い浮かべることができません。
のびのび明るい若手役者が認められ、自信をつけ、若気の驕りも手伝って次第にロバートに苛立ち、疎ましく思って態度もぞんざいになっていくカンジを実に自然に演じていました。劇中劇の声を張るセリフでは声がずい分大人っぽく骨っぽくなったな、という印象でした。バー・レッスンの場面ではのびやかな肢体も披露してくれて眼福。(果たしてこういうのを眼福というのか?)

ペン暗転になると、竜也くんはすぐにサッと体を翻して袖に走ります。もちろん役作りでそうしてる場面もあってのことですが、市村さんは必ず一旦間を置いて余韻を残す。このあたりの余裕、見習ってほしいです。

ペンカーテンコールの市村さん。相変わらずのはじけっぷりでサービス精神たっぷり。
笑顔がとってもチャーミングでした。


舞台写真も買っちゃった!のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら ふらふら (total 81 わーい(嬉しい顔) vs 78 ふらふら)
ニックネーム スキップ at 02:58| Comment(7) | TrackBack(3) | 演劇・ミュージカル
この記事へのコメント
スキップさま

こんにちは。大阪の「ライフ・イン・ザ・シアター」始まったのですね。素敵なレポ有難うございました。
私が観劇してから大分時間が経過してしまったのでお芝居も変化してるんだろうな・・・。
スキップさまの感想を読んで、ああ、もう一度観たいなと思ってしまいました。
Posted by dandan at 2006年05月04日 05:45
>スキップさま
とみです。ためらいましたが,読んでしもうた〜。ワタクシはまもなく参ります。
劇中劇というのが気になります。予習したほうがよいのでしょうか。
Posted by とみ at 2006年05月04日 23:37
♪dandanさま

東京からずい分遅れてやっと観ることができました。期待が大きすぎて?イメージと
違ったところもありましたが、やはり魅力的な2人でした。


♪とみさま

こんばんは。
私もよくやりますそれ。観る前は読まずにおこうと思っているのに「やってもうた〜」って。
劇中劇はたくさんの場面が出てきますが、どれも「劇」というボリュームのものではなく、
もっと言えばこのお芝居全体がそういうワンシーンの積み重ねという感じです。
予習は不要と考えます。とみさんの感性でお感じになって、ご感想を読ませていただく
のをとても楽しみにしています。
Posted by スキップ at 2006年05月05日 00:43
TB、コメントありがとうございます。早速TB返しさせていただきましたm(_ _)m
とみ様のところでのやりとりも楽しく読ませていただきました。市村×藤原という組合せならどんな内容でも一応観ておかないといけないという使命感のようなものが働いてしまいました(おいおい、どんな使命だよって)。
二人芝居は『ストーンズ・イン・ヒズ・ポケッツ』と『サラ』しか観たことがないのであまりイメージを持たないで見ました。だから変に期待もしていなかったので裏切られもしなかったです。
>市村正親は上手い。でも、あの軽いカンジというか、笑いを誘おうとするかのような役づくり...これがないと物足りないというくらいのファンの私にとってはノープロブレムでした。というかこれくらいでないと内容が私には辛すぎたです。マメットは「これは喜劇だ」と言っているようですからこれくらいでも良かったんじゃないかとも思います。それでも相当シニカルっぽいのでイマひとつ乗れなかったんです。とはいっても一見の価値は十分にあった舞台だとは思いました。
藤原くんはあまり好みじゃないのですが、芝居が上手いので定点観測の対象としていて『オレステス』チケとりました。彼は大人の男が演じられるようになるかどうかが勝負どころになってくると思ってます。
Posted by ぴかちゅう at 2006年05月07日 23:34
♪ぴかちゅうさま

市村正親vs藤原竜也は演劇好きなら観ないではいられない組み合わせですよね。
そうですね、内容が厳しい分、市村さんの明るさに救われるってところ、ありましたね。
私も藤原竜也くんって実は苦手だったのです。「天保十二年のシェイクスピア」観るまでは。あの王次にヤられました。『オレステス』もぜひ観たいと思っています。“ギリシア悲劇”っていうのに一抹の不安は感じますが。
Posted by スキップ at 2006年05月07日 23:51
初めまして!
ぴかちゅうさん宅から飛んで参りました♪

私にとっても、やっぱり苦さとシクシクと痛みが残る舞台でした。
でも、魅力的で心に残る舞台でもありました!
東京で一足お先の観劇をした感想ですが、トラバさせていただき
ました。
Posted by midori at 2006年05月09日 21:15
♪midoriさま

ようこそお越しくださいました!
midoriさんのご感想も読ませていただいて、細やかな視点に改めて私ももう一度
このお芝居を観たくなりました。
苦さも痛みも伴っても、やっぱり魅力的な舞台でしたね。
Posted by スキップ at 2006年05月10日 00:48
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