オレステス 10月6日 19:00 シアター・ドラマシティ
オレステス(藤原竜也)は6日前、姉エレクトラ(中嶋朋子)、親友ピュラデス(北村有起哉)と共謀して、不貞の挙句父を殺した実の母を殺害した。心身ともに疲弊したオレステスを慈しむように看病するエレクトラ。この姉弟をアルゴスの民は死刑で罰しようとしていた。間もなくその投票が始まるという時、叔父のメネラオス(吉田剛太郎)がトロイア戦争から凱旋帰国する。オレステスは叔父に救いを懇願するが、祖父テュンダレオス(嵯川哲朗)を怖れるメネラオスはこれを拒否。
ピュラデスに励まされ、市民の裁定の場で今回の母殺しの正当性を直接主張したものの、投票結果は死刑。万策つき果てた3人は、メネラオスの妻ヘレネ(香寿たつき)殺害を企て・・・。
最初に印象に残ったのは藤原竜也の声・・というか発声かな。冒頭からハイテンションで朗々と、まるで何かに怒りをぶつけるようにセリフを“吐く”エレクトラとは対照的に、オレステスの第一声はとても穏やかで静か。なのによく通って聞き取り易い。「あれ?竜也くん 声変わったな。」と思ったのですが、後でパンフを読むと“声の出し方”を変えているそうです。
全編を通じて苦悩し悲嘆にくれているオレステス。時折狂気に陥り、感情を爆発させ視線は宙を彷徨う。痛々しくて見ているのも辛いほどですが、ヘレネ殺害を決意するあたりからは表情も声もキリリと引き締まります。藤原竜也がオレステスなのか、オレステスが藤原竜也なのかっていうカンジの気迫の演技。ほんとに上手いな。
エレクトラの中嶋朋子は強くてしなやか。冒頭の長い説明に始まり、難しい名前がたくさん入った古典調のセリフをたっぷり聴かせてくれました。ピュラデス・北村有起哉は颯爽としていてカッコいい。ポジティブで熱い心の持ち主ながら策略家というキャラクターがハマって、閉塞感漂う空気の中に吹き込む一陣の風のようでした。メネラオス吉田剛太郎の白めの顔色と感情の動きに合わせてよく変わる表情、ゼウスの娘で終末には天上へと導かれることになるヘレネ 香寿たつきの浮世離れした美しさも印象的。
舞台には大量の雨が降ります。登場人物の感情の動きを表わすように、また、彼らを取り巻く情勢の変化を示すように、何度も何度も彼らの上に降り注ぎます。そして物語の終焉には別の雨が・・・紀元前より繰り返されて来た『復讐の連鎖』を人類はまだ収束できないでいるとでも言いたげな蜷川幸雄のメッセージを込めた雨が、私たちの頭上に舞い降りたのです。

集中してセリフ聴き込み過ぎて頭痛くなっちゃったよ、のごくらく地獄度
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私は雨の音の功<罪でした。シアターコクーンのN列でしたから14列目前後でしょう(1列目が今回はどのくらいだったか把握してません)。スキップさんは4列目だとずいぶん聞きとれたんじゃないかと思いますが、それでも「集中してセリフ聴き込み過ぎて頭痛くなっちゃったよ」だったんですね。
蜷川さん、今回は観客に負荷をかけすぎですよ。でも私も前方席だったらけっこう手放しで絶賛の感想を書いてたかもしれませんね(^^ゞ
「オレステス」観劇されたのですね!
スキップ様の簡潔で適切な感想を読むとどうしてこう書けないのかと・・・^^;
4列目センター上手寄りとはなんといいお席♪
私は真ん中と1F後方でしたので、雨が降ると台詞が厳しく感じてしまいました。
一回は通路側だったので、横を竜也さんと北村さんが通ったのですが、緊張してよく見れませんでした、お肌綺麗なのですね(そこかよ!ってすいませんm(_ _)m)それより、ダンプのようなメネラオスが通過した時に何故か凝視ししてしまい、今回の舞台で一番忘れられない光景となってしまいました、とほほ(あ、吉田さんは好きです^^;)
セリフの聞き取り難さはそんなに気になりませんでした。東京公演の反省から雨音を調整するなど改良されたのか、席が前方センターだったためかは定かではありませんが。それでもやはり雨が降っていない時の方が聞き取り易いのは確かであり(当たり前ですが)、幾度となく雨にぬれる役者さんも気の毒で、雨が降るたびに「またかよ」(笑)と少し感じました。
♪dandanさま
吉田剛太郎さん、好きですよ!
ほんとにダンプかガンダムのようでしたね。
竜也くんは通路に立った時もそうでしたが、物語の始めの方でベッドから落ちて転げまわる時、ほぼ目の前に横たわるオレステスがいて、ほら、あの衣装でしょう(笑)、色白で全身つるつるのお肌がまぶしかったです。(手足のあちこちにアザや傷があるのも痛々しかったですけれど。)
>集中してセリフ聴き込み過ぎて頭痛・・・
これ、すっごく分かります。(笑)
私も最初は必死になってセリフを追ってたんですが、
途中から諦めて雰囲気だけで楽しんでました。
雨音もだけでなく、傘の鈴の音や、鎧の音など、、、。
今回は音の演出満載でしたね。(笑)
> 今回は音の演出満載でしたね。
ほんとにそうでした。雨音のインパクトが強かったのですが、
鈴の音、鎧の音、生演奏の打楽器など音が効果的に使われていましたね。
頭痛は結構つづきました(笑)。
ギリシャ悲劇お決まりの神の登場を忘れるくらいお芝居に集中してしまった
ものですから(爆)。
私も台詞に集中しすぎで疲れ果ててしまった一人です。
大掛かりで、宣伝もされてはいますが、
小さな小屋に掛かる、
「芝居をやりたい情熱だけに支えられた劇団」
の芝居にも通じる簡潔さが、
なんだか久しぶりに「演劇」を覗き見した気分にさせてくれて、
面白く感じました。
TBさせていただきます。
>シマッタ、そうだった。ギリシャ悲劇だった
ワハハハ、おかしい♪
最後に振る「雨」については、どうも賛同いたしかねるワタクシです(苦笑)。
役者さんは全員頑張っていたと思うので、
よけいに本のアラと最後の演出が引っかかりました。
酷評記事を書いちゃったので、今回はTB自粛いたします。
こちらこそ、お久しぶりです。
またお越しいただきありがとうございます。
私の疲れは翌日まで尾をひきましたが、それでも「お芝居を観た」という
充実感はすごくありました。
これも蜷川マジックのひとつでしょうか。
♪ゆっこさま
こちらこそご無沙汰しています。いらっしゃいませ〜。
そーなのですよ。あまりにもセリフを聴こうと集中するあまり、お芝居に
入り込み過ぎて、“最後に神様が出てきてチャンチャン”っていう
ギリシャ悲劇の定番をすっかり忘れてしまっていたのです(恥)。
酷評でもトラックバック大歓迎ですよ。いろんな見方、感じ方があるのは
おもしろいし、勉強にもなります。
過分のコメントをいただきながら,こちらに適切なコメントを致さず失礼しました。皆様と意見交換しているうちに,絶句からワタクシなりの考察めいたものがまとまってまいりました。えらい長いツリーになってますがよろしかったらのぞいてやってください。
私は、この作品・・・
もう全然ダメでした。ごめんなさい。
役者さんは頑張っていたと思うし、朋子ちゃんなんかよくもまあきちんと発声しているなあと感心したし、有起哉くんの台詞回しには賛否両論あるけど、あの場の雰囲気を(観客にホッとさせてくれた瞬間というのかなあ)良い方法に変えた話し方だったので私にとってはハナマルでした。
でもね、でもね。パンフ読んでいなかったけど他の方のブログ等であの演出の意図がわかりましたが、それでもあの演出は、イヤですぅ。
のぞかせていただきました。
長いツリーの中に深い議論が展開されていて、これだけで「オレステス論」としてまとめて蜷川さんに進呈したいくらいです。
いろいろな見方や感じ方があり、意見交換することでまた自分の考えもまとまっていく、ってすばらしいですね。お芝居を表面的に見るのではなく、いつも深く考察されているとみさんのブログならではことと羨ましく思っています。
♪真聖さま
ダメだったんですねぇ。
確かにあの演出は物議をかもしそうではありますね(というか、もうかもしてますが)。
私はとにかく最初はとても驚いて「ヤラレタ」っていうカンジだったのですが、是非はともかく、原作通りアポロンの登場で一件落着ってカンジで終わったのでは納得できないというか消化不良になったんじゃないかな、と思います。原作を変えない蜷川さんの演出術の見せ所だったのではないかしら。
でもほんとは、「イヤ」ってはっきり言える真聖さんがちょっとうらやましいです。この作品のことではないですが、全然ダメと思っても小心者なのでなかなかはっきり書けないことが多いものですから(笑)。
カキコは、“お久し振り”になってしまいました。
なんか、アレコレ色々考え思いあぐねて、な後味です。
この“スッキリしない感”が、マサニ「ギリシア悲劇」
な気がしました。
とっちらかったまんまの気持ちそのままな感想ですが、
アップしたのでトラバさせていただきます。
(^^;
お久しぶりにようこそ(笑)。
私はほんとにアポロンが登場するまでギリシャ悲劇だということを
忘れてしまっていて、「あ!」と気づいた次第ですが、「ギリシャ悲劇
ってこんなの」と思っているせいか、そんなにスッキリしないっていう
カンジではありませんでした。
でも確かに、あれこれ色々考えるお芝居ではありますね。
昨日観にいってきました!私は今回2列目で、上手側だったんですよ。
最初の竜也君がベットから転げ落ちた時なんて、もう「!」と思うほど近く、
キレイな背中だなあ、とか、腕にケガしてる、とか、オシリもキレイだなあ(笑)
とか、そちらにばかり目が行ってしまって大変(笑)
でも4列目通路側なんて、最後のシーン、別の意味でドキドキしちゃいますね♪
賛否両論あるようですが、私は結構好きな舞台でした!
藤原竜也@蜷川舞台は見応えありますね。
2列目とはまたうらやましい。
ほんとに竜也くんは背中もオシリも(笑)キレイですよね。
ギリシャ悲劇独特の結末とか、長い物語の一部を切り取っての上演とか、
いろいろ制約がある中で蜷川さんはやってくれますってカンジでしたね。