情念の青 激情の赤 そして哀愁のかきつばたの紫−物語が進むにつれて美しく変化する照明がとても印象的でした。
松竹座十月花形歌舞伎「染模様恩愛御書 細川の男敵討」
10月14日(土) 16:00 6列センター
会津藩の剣術指南役 横山図書(市川猿弥)が家中の武士たちの虚言を信じて妻のいよ(中村芝のぶ)を不義の罪で手討ちにした上、保身のため居合わせた印南十内(坂東薪車)を殺害するところが物語の発端。
そして10年後、浅草寺の境内で細川越中守(市川段治郎)の美しい小姓 印南数馬(片岡愛之助)と運命的に出会った大川友右衛門(市川染五郎)は、その美しさに心を奪われ、また数馬も一目で恋に落ちます。この数馬こそ非業の死を遂げた印南十内の忘れ形見で、父の無念をはらす敵討ちをその胸に秘めていたのでした・・・。
通し狂言で幕間が1度だけ、上演時間は3時間弱ですが、緊張感が途切れることなく、若手花形歌舞伎役者のエネルギーほとばしる舞台でした。
それにしても市川染五郎。題名に愛之助の「愛」も加えられないかと提案したのをはじめ、様々なアイデアを出し、片岡愛之助とともに稽古をしながら作り上げた舞台。使命感漲る座頭ぶりでした。凛々しい武士が数馬を思う時の少女のように変化する表情、妹を思いやる心、図書との立ち回りの刀さばきの速さ、カッコよさ、そしてクライマックス 火事場での入魂の演技。素晴らしかったです。もう、涙出ちゃったよ。
「これがあの愛之助さん?」と驚くくらい、片岡愛之助は数馬になり切っていました。前髪も、きれいな衣装もとてもよくお似合い。やわらかい物腰に穏やかな笑顔、友右衛門を一途に慕う眼差し。友右衛門でなくても、あざみでなくても心奪われますね。願わくばお2人の役を交換した舞台も観てみたかったです。
市川春猿、市川段治郎、坂東薪車、中村芝のぶ、メインキャストの役者さん達はそれぞれ役どころを得て熱演。中でも特筆すべきは市川猿弥。そもそも敵役・横山図書がいなければ成立しないお芝居。しかも主役の2人と渡り合う格が要求される役どころ。まさに豪腕でこの役をねじ伏せた、という感じで光っていました。
そして忘れてはならない数馬の母お民と細川越中守奥方照葉の2役を演じた上村吉弥。きりりとした美しさは健在。物語に重みを加えるとともに、どんな状況でもはっきり聞き取れ説得力のあるセリフ回しは、若手のよいお手本にも刺激にもなったことと思います。
照明とともに印象に残った工夫をこらした舞台装置、青い光の中のシルエットで描いた2人の愛のシーン、そしてUSJのバックドラフトも真っ青の火事のシーンなど見どころたっぷり。こんなことが歌舞伎でもできるのね。若手役者さん達の力量と歌舞伎の限りない可能性を示唆したとても印象に残る舞台となりました。
ひとつだけ気になったのは、笑いを随所に取り入れて楽しませていただいたのですが、火事場のあの最期のシーンに小道具遣ってまでの笑いは必要なかったのではないかと。
うーん、もう1回観たいけどチケットが・・のごくらく地獄度









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素敵な感想読ませて頂きました。そやそやと頷きながら,楽しさが甦りました。ワタクシは7日の赤猫の後に予定外の一度,次週当初予定のとおり参ります。
一気に感想書きたかったのですが,駄洒落,剣戟シーン,ツケ音又は効果音,電光スクリーンが弱いように思ってしまう目(``)/゛オマイナァ!!で見てしまったので,秀山祭九月大歌舞伎の染五郎丈の若衆を考察して論を進めたいと(早い話書いてしません。),思っています。
凛々しい吉弥丈の火事場装束はうけました。やっぱり吉弥丈は頼りになります。薪車丈の律儀な父上もイメージとおりでうなずいてしまいました。芝のぶ丈の美しさと実力も光ります。名題下さんにも台詞や見せ場がたっぷり。
わたしも最後の火事場シーンは同意です(笑)
あそこだけね、あそこだけ、ちょっとひっかかりました。
そこは泣かせるところであってほしかったな。
染五郎さんと愛之助さんの役を交換した場合の歌舞伎も
是非とも観たいもんです。
リピーター、さらに続出ですね(^^)
わたしも財布の紐がゆるみっぱなしになりそう・・・。
火事場の“赤”からその後の場面の“青”への照明の変化・・・・本当にきれいでした。
愛之助さんファンの私としましては、滅多に見られないきれいなお衣装いっぱいの愛之助さんを堪能しております(笑)。
もう中日も過ぎてしまって、終わりがだんだんと近づいてくるので、自分の次の観劇日が来て欲しいような来て欲しくないような・・・・複雑な心境です。
でも・・・・・やっぱり早く観たい(笑)。
ありがとうございます。
とみさまの1回目は新感線マインドのままご覧になったのでしたね。
私もこのお芝居、中島さんが書いたらどうだろう、いのうえさんが
演出したらどうなるかな、と思いながら観た場面がいくつかありました。
秀山祭の染五郎さんが正統派高麗屋とすれば、今月は少しやんちゃな
“染ちゃん”といったところでしょうか。
吉弥さん照葉、凛々しかったですね。どんなお衣装もほんとによくお似合い
・・・と言ったら叱られるかしら。とみさまの本気観劇記、楽しみにいたしております。
♪umakoさま
よかった!同意していただける方がいらして。
結局泣いちゃったんですけどね〜(笑)。
切符の売れ行き、ちょっと心配したりしたのですが、杞憂だったよう
でほんとによかったです。このまま千秋楽まで突っ走っていただきたい
ですね。私もちょこっとだけ併走するつもりでいます(要するにもう1回
観に行くってことです)。
♪rikaさま
愛之助さんのお衣装はほんとにどれもキレイでよくお似合いでしたね。
1月松竹座の「五十両〜」の斧定九郎の印象が強烈でしたので、まるで
別人でした。
毎日毎日がナマで2度と観ることができないのが舞台の魅力でもありますが、
こんなにステキな舞台が終わってしまうのはやっぱり寂しいですね。
しかも越中までバックしたかも。
そもそも数馬に松竹で上演した。
そして浅草寺は忘れ形見とか激情したの?
コメント&TBありがとうございました。
本当にスピード感があって若々しく楽しい舞台ですね。
「この座組で」という染五郎さんの言葉どおりチームワークもバッチリな気がします。
私も唯一火事場での笑いは不要かな、と思いました。
その小道具が飛び出した日もありましたし(苦笑)
あと1週間、彼らと共に燃え尽きたいと思います。
TBさせていただきました。
ハヌルさんのこのお芝居にかける情熱は染五郎さんのそれに勝る
とも劣らないのではないかと拝察いたします。
開幕前にTVでお稽古風景を見たのですが、染五郎さんや愛之助さん達が
「ここはこうとちがう?」みたいに互いに意見を出し合って作り上げている
カンジで本当に楽しそう(といったら叱られるかな)でした。
残すところ1週間。悔いのないようにやり遂げていただきたいです。
役者さん達にも、ハヌルさんにも!
花形役者さんの大活躍。本当に今後の歌舞伎が楽しみになる舞台でした。
勧進帳のところは、1回目観た時「なんで勧進帳なの??」とピンと来なかったんです。
家に帰る途中に気付きました。
客席からは笑いが起きてましたが、私は必死に見ていたので、「あぁ。お腹の物を出さないと御書は守れないのだな」と真剣に観ておりました。
何度も観たい舞台です。出来れば1階席でも観たかったです。
例の「カン・ジン・チョウ」の場面は一緒に観た友人も「作り物とわかっていても
目をそむけちゃった」と言っていましたので、笑いとは無関係に物語に入り込んで
観る人もたくさんいるのだわ、と
後で思い直していたところです。
それにしても、こんなステキな舞台に出会えた私達たちは幸せですね。