同じ演目であっても演じる役者さんによって、あるいはその家の型によって、ずい分趣の異なる舞台を観ることができるのも歌舞伎の楽しみのひとつです。たとえば東西で華やかに幕が開いた今年の初春大歌舞伎の「勧進帳」
歌舞伎座 松竹座
弁慶: 幸四郎 團十郎
富樫: 梅玉 海老蔵
義経: 芝翫 藤十郎
この2つの舞台を見比べることのできる幸せを味わった歌舞伎座遠征でした。
壽初春大歌舞伎 平成19年1月20日(土) 11:00 歌舞伎座
そして「平家女護島 俊寛」
俊寛僧都: 中村吉右衛門
海女千鳥: 中村福助
丹波少将成経: 中村東蔵
平判官康頼: 中村歌昇
瀬尾太郎兼康: 市川段四郎
丹左衛門尉基康:中村富十郎
この演目も昨年12月の南座顔見世興行で観たばかり。これまで仁左衛門さんの俊寛しか観たことがなくて、俊寛=仁左衛門のイメージが出来上がっており、しかもこの仁左衛門さんの俊寛が大好きな私ではあります。
吉右衛門さんの俊寛はとても人間的。表情も動きもすごく豊かです。成経が千鳥を嫁にしたことを知り、わがこと、わが息子のことのように喜ぶ笑顔、御赦免状に自分の名前が漏れていると瀬尾に訴える必死の形相、もはやこれまでときっと瀬尾を睨みつける目線、去りゆく船をあきらめ切れず追い続ける声・・・どれを取っても、俊寛がただ高潔なばかりの僧都ではなく生身の人間であることをひしひしと感じさせます。それだけに一層、船が去ってしまい自らも「お〜い」と叫び手を振ることをあきらめてしまった後、訪れた静寂の中で海を見つめて岩の上にひとり佇む俊寛の絶望の眼差しは、胸に迫るものがありました。
千鳥が福助さんと聞いた時には「ちょっと艶っぽ過ぎるんじゃない?」と思っていました。千鳥といえば純朴で一途な島娘、というイメージでしたが、まさに艶っぽくて華やかでチャキチャキの千鳥。ところがこれもアリだなと。裸で海に潜り、流人とはいえ都から来た身分の高い少将に物おじせずに近づき恋に落ちる娘なので、はねっかえりというか、お転婆で陽気でポジティブで見目麗しくてっていうのが正解なのかも、と福助さんの千鳥を見ていて感じました。大柄なので瀬尾をほんとにやっつけちゃいそうなのにはちょっと笑っちゃいましたが。
そんな中、瀬尾は先月も今月も段四郎さん。これはもう定番と言ってもいいくらいで、憎々しさも全開。瀬尾=段四郎のイメージが私の中で完全に固まりつつあります。
書かなかったけど「喜撰」の玉三郎さんの祇園お梶もすごくキレイだったよ〜のごくらく度
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3月南座、まだ決めてないんです。いえ、花形歌舞伎は大好きなんですけどね。若い役者さんは気持ちいいですもん。
吉右衛門さんだけがむしろ大例外といいますか。ただ、私は綺麗な吉右衛門が好きなので、俊寛は何度観ても感情移入できないお芝居なんです。いってみれば、見巧者にはなれない芝居好きと申しますか。へへ
さすがのご賢察ですね。
私は3年位前に歌舞伎座で観た「狐狸狐狸ばなし」の“おきわ”が今までのmy best 福助さん。
これもご本人にとっては不本意でしょうね(笑)。
見巧者どころか好きな役者さんが演じるお役なら全部観てみたいただのミーハーの私は、
特に吉右衛門さん歴は浅いものですから、俊寛も東吉も鬼平も何でもOKなんです(爆)。
3月南座は、いらっしゃるようでしたらぜひお茶なりとご一緒させていただきたいです。
ズ〜ッと「私的”俊寛”チャンピオンベルト」は仁左衛門の物だったんですが、
ここに来て、吉右衛門にかっさらわれてしまいました〜。
福ちゃんは8年前は「町娘」になってけど、今年は「島娘」でした。ホっと胸を撫で下ろした私(笑)
TBさせて頂ました。
私は幸四郎俊寛しか観たことなかったんですよ。初吉右衛門俊寛でした。
>静寂の中で海を見つめて岩の上にひとり佇む俊寛
.....その視線の先にあるものは〜と最後の最後まで集中して観てしまいました。
>艶っぽくて華やかでチャキチャキの千鳥。ところがこれもアリだなと
うーん、私的にはちょっとダメでした。「アイタ」の一言が許容外。これからもさらなる精進を期待しま〜す。
仁左衛門俊寛が未見なので、なるべく早く東京で観たいと希望してま〜す。
まいどぉ!
そうなんですよね、仁左衛門さんの俊寛が私にとってもこれまでのベスト&オンリー
だったのですが、さすがに吉右衛門さんも素晴らしかったです。
福助千鳥も意外にも(?)かわいかったし、ステキな舞台でしたね。
♪ぴかちゅうさま
仁左衛門さんの俊寛もぴかちゅうさんに観ていただいて、ぜひご感想をお伺いしたいです。
福助千鳥はダメでしたか。確かにあの「アイタ」は客席からも笑いが起こっていましたね。
福助さんは結構役の当たり外れ(ハマりハマらず?)の落差が激しいようにお見受け
しますので、このあたりが課題といったところでしょうか。