印象的な旋律のバラードで始まり終わるミュージカル 「スウィーニー・トッド」

スウィーニー・トッド: 市村正親
ミセス・ラヴェット: 大竹しのぶ
乞食女: キムラ緑子
ジョアンナ: ソニン
アンソニー: 城田優
ターピン: 立川三貴
ビードル: 斉藤暁
トバイアス: 武田真治
演出・振付: 宮本亜門
2月15日(木) 7:00pm シアターBRAVA!
妻に横恋慕した判事ターピンによって無実の罪で島流しにされた理容師が15年を経てロンドンに戻って来る。ターピンに辱めを受けた妻は自殺し一人娘ジョアンナがそのターピンに養育されていることを知った理容師は、スウィーニー・トッドと名を変え、ラヴェット夫人のパイ屋の2階に床屋を開き、復讐の機会を窺う。その腕前で店は繁昌するが、自分の過去を知る人間を殺したのを皮切りに次々と殺人を犯していく。スウィーニーが殺した人間の人肉で作ったパイでラヴェット夫人の店も大繁盛。何も知らないままラヴェット夫人を慕い店を手伝う少し頭の弱い青年トバイアス、店の周りをうろつく不吉な乞食女・・・様々な人を巻き込みなら遂に復讐の時が−。
実話をベースにした(?)という物語は暗く重く、後味悪い。例によって「殺人」「人肉パイ」以外に何の予備知識も持たず観ていた私は、クライマックスのたたみ掛けるような凄惨な場面にただ唖然。スウィーニーと乞食女とのいきさつも、直前の床屋の場面でハッと気づいて、「やめて!スウィーニー!!その人は・・・。」と心の中で叫びました。きっと眉間にシワ寄せて観ていたと思います。観終わるとのどカラカラ、疲労感でぐったりでした。
近頃現実社会で起こる数々の殺人事件が二重写しとなり、絵空事とはいえない妙なリアリティがこのお芝居にはあります。最後のバラードの歌詞 「たとえ地獄が待っていようと、人はそれを繰り返す」 に込められたメッセージは痛烈です。 作詞・作曲: スティーヴン・ソンドハイム
タイトルロールの市村正親。「そうよ、そうよ。市村さんはこうでなくちゃ。」というカンジです。響きわたる声とドラマチックな歌唱、孤独と哀しみが色濃く影を落とす瞳−ファントムを思い出しました。コミカルで軽妙な市村さんも良いけれど、やっぱりこんな市村さんが観たかった!始めと終わりのバラードで、アンサンブルの中からスックと表れ出るスウィーニー。市村正親ではなく、まぎれもなくスウィーニー・トッドがそこにいました。
大竹しのぶは本格的ミュージカルは初出演ということで、歌唱についてはあれこれ言われているようですが、歌を台詞として、歌詞を大切に唄っていて、聴き取りやすく説得力のある歌唱。本来ミュージカルの歌のあるべき姿ってこうなのではないでしょうか。ガサツだけど、パワフルで健気で一途にスウィーニーを想っていて、とても可愛い。
ちなみに、パンフレットには「ラヴェット夫人もびっくりのおいしさ!!」とポークパイのレシピが掲載されています。かなりブラックなセンスですよね。
武田真治はいつもキレイなお顔ばかり拝見していたので、ちょっと意外だったけれど、トバイアスの繊細さをよく表現していて存在感を示していました。意外といえばジョアンナのソニン。近頃テレビで見かけなくなったと思ったら・・あんなに唄えるなんて、意外なオドロキでした。テレビといえばアンソニーの城田優。「ハケンの品格」で春子さんのフラメンコ酒場にいる男の子ですね?ミュージカルを観る機会が少ない私は驚いてばかりでした。
しばらくミートパイは食べたくないの地獄度
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>「朧」の血飛沫は平気なのに、こちらの流血は・・・。
確かにだいぶ違いますねぇ。「朧」の場合は主人公の前のめりの生き方の上での流血ですからね。主人公に感情移入して観ている私たちにはけっこう大丈夫なんですよね。あくまでフィクションを楽しむ中にありました。
スウィーニーの流血は敵への復讐をとげるために途中で無関係の人もどんどん殺しちゃってますからね、なかなかスッと受け入れにくいですよね。前半は忍耐していてだんだんとなじんでいきましたよ。今の社会に重ねあわせることができてしまうという怖さがありました。そのメッセージが最後には強く残りました。
瑳川哲朗さん、「コリオレイナス」では敵役ですからね。私も何かの観劇時に前に座られたことがあります。井上芳雄くんは「私はだれでしょう」で遭遇。そのことも書いてますが(笑)よかったら探してくださいませ(^^ゞ
確かに、復讐のために無関係の人を巻き込むという行動にはついて行けないもの
を感じますが、私はどうもあの殺人のリアルさとか、あのパイに人肉が・・・
とかいう見た目のコワさというか気持ち悪さが受け容れ難く・・・とても見応えある
ドラマだったのですが。
でも、こうして自分の感想をアップして、皆さんの観劇記を読ませていただくと、
もう一度観てみたくなりました(笑)。
ぴかちゅうさんが井上芳雄さんに声をおかけになった記事、以前に拝読しました。
ミュージカルに造詣の深いぴかちゅうさんならではですね。
私は「モーツァルト」くらいしか知らなくて・・・(しかも中川晃教くんの方を観て
井上版は観ていないm(__)m)
私が観劇したのはちょうど1月前でバラバラ殺人の報道が
続いている時だったものですから、何だかそんな時にこの
舞台を観るのがちょっとフクザツだった事を思い出しました。
そうそう。ソニンにはちょっとビックリですよね!
あんなに歌えるとは。期待していなかっただけに
なんだか“へぇ”が3割り増しぐらいな感じでした(笑)。
>瑳川哲朗さんにぶつかりそうになりました
いいですね〜♪そうそう、コリオレイナスもありました!
朧中毒で、すっかり忘れていた・・(~_~;)
そうでした。東京公演はそんな時期でしたね。
そういうタイミングだと一層このお芝居はコタエますね。
ソニンはほんとに驚きでした。そういえばアイドル?の頃から歌は上手かった
ような気もしますが、あんなにキレイなビブラートのかかった高音が出せるなんて。
みんみんさんは明日も松竹座に出没ですか?
「朧」祭もそろそろ終わりが近づいて来て、寂しいですね〜。
まだ,書いてませんが昨日拝見しました。主演お二方の演技以外期待せずに出向いたのですが,見所,聴き所一杯。作品としての盛り上がりも相当なものでした。
ワタクシが興行主なら,カフェコーナーでミートパイ売りますね。
私も思いました、市村さんはこうでなくっちゃ!と。
やはりタイトルロールを演じる市村さんは魅力的ですね。しかも特にこういう作品がいい!
私の中では最近すっかりお茶目な市村さんが定着していたのですが、スキップさんのレポにとても共感いたしました☆
TBとコメントありがとうございました。
お礼にと伺ったのですが、スキップさんの観劇記録に、すっかり読みふけってしまいました。
「スウィニー・トッド」はもう1回ぐらい観たかったのですが、はたせず(涙)。
大阪でも素敵な市村さんだったのだなあ、と嬉しくなりましたv
今年も市村さんはいい舞台が多そうですよね。
東京に通う日々が続きそうです(笑)。
では、ひとまずお礼まで。
またお邪魔させていただきますねv
スキップさんも楽しまれたようで何よりです!
市村さんの唄は、最高に良かったですよねぇ〜。
存在感はピカイチでした。
スウィニー・トッドが床屋で人を殺し、
椅子のレバーを踏むと滑り台のように死体が階下へ落ちていくシーンが、
怖くもあり、可笑しくもあり、、、。
良く出来た仕掛けだなぁって感心してました。
あの椅子に座って、落ちてみたいなって思ったりして。(笑)
>アンソニーの城田優。
>「ハケンの品格」で春子さんのフラメンコ酒場・・・
あぁー!そうなんですね!!
初めて知りました。
舞台で観た時は色が白くてヒョロっとした人だなって思ってたのですが、TVで見るとイケメンですよね。(笑)
やったぁ!とみさん、ヒット!!
カフェコーナーでミートパイ売られたら、私は絶対食べません。
ブラックのセンス、ここに極まれりですね(笑)。
本当に見応えのある、質の高いミュージカルでした。
♪たけこさま
そうなのですよ。
私は初めて観た市村さんがファントムだったので、やっぱりあのイメージなんですね。
すごくステキでした。「ヴェニスの商人」も楽しみですね。
今北海道ですか?美味しいものいっぱいで、うらやましいです。
♪恭穂さま
ようこそいらしてくださいました。
観劇はねぇ、数だけは多いのですが。どうも感情が先に立ってしまって、
皆さんのようにステキな観劇記が書けないでいます。お恥ずかしいことです。
「スウィーニー・トッド」観終った後は、「私これダメかも〜」といささか弱気
だったのですが、こうして時間が過ぎるにつれ、「もう1回観たい」気持ちが
ムクムクわいてきました(笑)。
こちらの方こそまたお邪魔させてくださいませ。
今後ともよろしくお願いいたします。
♪麗さま
市村さんは本当にステキでした。
やっぱりあんな難役だと市村さんの力量も個性も光りますよね。
あの床屋の椅子は確かにちょっと笑えましたね。
うーん、でも座って落ちてみるのはどうかなぁ(笑)。
そうなんですよ。「城田優」という名前は記憶にあったのですが、テレビでは
ジャニーズの子かな、と思っていました。(実は生田斗真くんとあんまり区別
ついてなかったりして・・・きゃあ〜、ファンの子に怒られるぅ)