2007年03月10日

シネマ歌舞伎 京鹿子娘二人道成寺

flier_s.jpgシネマ歌舞伎 「京鹿子娘二人道成寺」 @梅田ピカデリー3

花道を歩き出て踊る菊之助の花子に、スッポンから登場した玉三郎の花子が重なり、黒地の華麗な衣装の二人が同じ振りで踊り並び立つと、大げさでなく全身に震えのようなものが走りました。

返す返すも観ておけばよかったと悔やまれてなりませんが、実は舞台を観ていません。なのでナマの舞台と比べることができませんが、舞台のライブ感は十分に保ちつつ映像の利点を活かした、まさに“シネマ歌舞伎”。高性能HDカメラで捉えた映像は鮮やかで美しく、音響も臨場感たっぷりで、すばらしいの一言。テレビ中継にしろDVDにしろ、舞台を映像化したものにはがっかりさせられることが多くあまり好きではないのですが、その先入観は完全に覆されました。

白拍子花子の光と影、陽と陰を踊り分ける二人。前後になり、左右に並び立ち、あるいは向かい合ってのシンメトリーな振りであったり、全く別の踊りを舞ったり、恋する男と女に身を化したり、圧倒的な美しさの中に、指の先、つま先にまで神経の行き届いた研ぎ澄まされた空気感を醸し出しています。妖しいほどに美しく表情豊かな玉三郎、能面のように硬い表情ながら若さ迸る菊之助。神様はよくもまぁこの二人をお選びになったものです。

至近距離からアップで映し出されたり、「あ、ここ全身見たい」と思うとさっと切り替わって全身の動きを捉えるカメラワーク。何度も映像の中の客席と一緒に拍手しそうになって困りました。舞台では見ることのできない角度からの映像や、昔の画像の挿入、フラッシュバックといった映像ならではの見どころもあって、1時間10分、夢のような陶酔の時間が過ぎていきました。

DVD出たら絶対買って100回観る、のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 188 わーい(嬉しい顔) vs 187 ふらふら)
ニックネーム スキップ at 23:41| Comment(10) | TrackBack(2) | 歌舞伎・伝統芸能
この記事へのコメント
こんにちは♪ご無沙汰しておりました。
シ、シネマ歌舞伎!?そんなのあるんですか!知りませんでした…。
菊之助さんと玉三郎さんの美しさ、麗しさが目に見えるようです…。観てみたいな。
実は私も最近(本当にごく最近)歌舞伎にハマり、スカパーの歌舞伎チャンネルまで契約してしまいましたが、シネマ歌舞伎ってのは初耳です。そういう伝統だけを守っていくんじゃないチャレンジ精神が好きだなぁと思います。
Posted by rr at 2007年03月11日 10:15
私も生は観ていないんですけど、二人の息をのむ華麗さは目に浮かびます。出の瞬間、純粋に「うわっ、きれい」と思わせられた女形さんはこのお二方くらいかな。

MOVIX京都では今月末からの上映みたいです。歌舞伎のビデオは録画したものが色々あるけど、やっぱり生とは比べものになりませんものね。シネマ歌舞伎にも興味はなかったんですけど、歌舞伎会会員の私はいつでも1000円で観られるし、、行こうかな。素敵な記事をありがとうございます。
Posted by おまさぼう at 2007年03月11日 12:37
スキップさま

はじめまして。コメントを書くのは恐らく初めてですが、dandanさんのブログ「雑感」から数ヶ月前に初めて遊びに来て以来、静かに楽しく読ませていただいておりました。特に朧の感想には、とってもわくわくしました(カスタネットマンのような記事も好きです♪)。朧、DVDになることがあれば、絶対に見たいです。
札幌でも先日までシネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」が上映されていましたので、私も二度観にいき、美しさを堪能しました。スキップさんがおっしゃるようにまさに「夢のような陶酔の時間」でした。
初めてのコメントなのに、長々とすみませんm(__)m
Posted by sakuraya at 2007年03月11日 14:48
東京では新しくできた新宿のシネコンのオープニング企画でゲキ×シネ4作品連続上演がありました。そのうち「アカドクロ」「アオドクロ」の2本を観ました。その中でひらめきました。染五郎の出演の舞台でのゲキ×シネ化という企画に刺激されて、松竹は「シネマ歌舞伎」をスタートしたのではないだろうか?と。
「ゲキ×シネ」と「シネマ歌舞伎」は舞台のシネマ化という新しい素晴らしい挑戦として見ていたのですが、けっこうつながった企画だったのかもと思ったのです。
こういう連鎖というのは本当に素晴らしいことだと思います。私の勝手な推測かもしれませんが(^^ゞ
次のシネマ歌舞伎も楽しみです!
Posted by ぴかちゅう at 2007年03月11日 20:14
♪rrさま

お久しぶりです。
「シネマ歌舞伎」私も観るのは今回が初めてだったのですが、2年前の「野田版 鼠小僧」が第1弾で、今回は第4弾になるそうです。「京鹿子娘二人道成寺」は3月23日まで梅田ピカデリーで上映中ですので、お時間があればぜひお運びください・・・と松竹に成り代わり(笑い)・・・1,000円ですよぉ。すっごく価値あると思います。
歌舞伎チャンネルまでご契約とはすばらしい!!
チャレンジ精神、まさにその通りですね。古くて新しい歌舞伎、これからも目が離せそうにありません。


♪おまさぼうさま

ぜひぜひ京都でご覧になってください・・・とまたまた松竹に成り代わり(爆)。
始まりはちょうど歌舞伎座の1階席中ほどから観るような目線になっていて、ナマの舞台と同じという訳にはいきませんが、かなり臨場感あります。何と言っても二人の美しさと、肉眼では目が届かない衣装の細部なのが観られること、それにやはり映像だと二人の踊りの違いもかなりよくわかっておもしろかったです。
Posted by スキップ at 2007年03月12日 01:17
♪ sakurayaさま

はじめまして。ようこそお越しくださいました。
札幌にお住まいなのですね。2度ご覧になったとはうらやましい・・・でもお気持ち、わかります。目にも記憶にも永遠にとどめておきたいような、ほんとに美しいお二人のすばらしい映像でした。
「朧」はねぇ、今でもまた後遺症(笑)があって、「ライ」とか「森」とかにやたら敏感に反応してしまいます。DVD化が待ち遠しいですし、新感線にはゲキ×シネもあり、こちらも楽しみです。


♪ぴかちゅうさま

「ゲキ×シネ」と「シネマ歌舞伎」言われてみればそういう連鎖だったのかもしれません。
私はシネマ歌舞伎は今回が初体験だったのですが、こんなにすばらしいなら今後は必ず観なきゃなぁと思っています。「京鹿子娘二人道成寺」は作品そのもがすばらしいのですけれど。
次はどんな作品がシネマ歌舞伎になるのでしょう。楽しみですね。
Posted by スキップ at 2007年03月12日 01:32
これは、東京の公開早々に観ました!
とにかくチケット激戦で、ナマでは観れなかったので…。
(ーー;
でも、映像でも見れて良かったです!
ってか、映像に残してくださって嬉しかったです。
(*ーー*)
Posted by midori at 2007年04月04日 11:40
♪midoriさま

演目そのもののすばらしさとともに、玉三郎さんの美意識あふれる映像でしたね。
機会があればぜひナマ舞台も観てみたいのですが、再々演していただけないかしら。
Posted by スキップ at 2007年04月05日 01:05
>スキップさま
拙宅にコメントありがとうございました。メンテ中でお返事遅くなりました。
総花博愛おとみの看板降ろさなければならないこのごろですが,スキップ様はかなりリベラル透徹したお目が回復なさっておられ,安心しました。
Posted by とみ at 2007年04月05日 17:51
♪とみさま

朧にかすんだ目も少しは晴れてきたでしょうか?
極限までに美しいもの、一級品の芸術は、いつの時代も恒久的に
私たちの目や心を澄ませてくれますね。
それが「玉三郎さんの見せたいもの」であっても、心ゆくまで
浸らせていただきたいものです。
Posted by スキップ at 2007年04月05日 22:28
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