花組芝居 創立20周年記念公演第一弾 「かぶき座の怪人」4月1日(日) 1:00pm 新神戸オリエンタル劇場
加納幸和率いる花組芝居は男優ばかりで演じられるNEO歌舞伎。「かぶき座の怪人」は1989年、2001年に続いて3度目の上演となりますが、初見でした。
舞台は創立100年を迎える国立天地劇場。新劇の名門・文明座が「欲望列車」を公演中。主演の九重八重子(加納幸和)は看板女優であり、多くの男性と浮名を流す恋多き女性でもある。天地劇場には故六代目宇治乃川霧(八代進一)の霊が“かぶき座の怪人”となって現れるという噂が囁かれている。同じ頃、劇場の稽古場では、歌舞伎の二代目男女川恋助改め初代恋寿(山下禎啓)とその息子・二代目男女川恋松改め三代目恋助(小林大介)のダブル襲名披露狂言『恋助十種の内 姥ヶ池』の稽古が行われていた。芸養子である恋松は自らの才能に疑問を持ち、悩んでいた。八重子は悩み苦しむ恋松とともに飲み明かす。お互いに離れ難い想いを抱く二人だったが、二人の気持ちを知った恋松の母・泉河逸美(秋葉陽司)や歌舞伎役者・玄上乱十郎(水下きよし)は烈火の如く怒り反対する・・・。
タイトルをはじめ、登場人物、劇中劇、エピソードなど、たくさんの設定が“あのこと”を表していたり“この人”のことを思わせたり・・きっと気づかずに見逃しているものも多いんだろうな。「欲望という名の電車」=「欲望列車」 「黒塚」=「姥ヶ池」そして衝撃は「俊寛」=「愛の鬼界ヶ島」
植本潤演じる千鳥が「りんぎょぎゃってくれめせや〜」を連発しながら俊寛とあんなことになっちゃって・・・そこに「愛ルケ」主題歌“哀歌”唄いつつ平井堅登場・・・ってどうなることかと思いましたが、笑いをちりばめながらも、主題は男女の愛憎、親子の葛藤、母と子の情愛、実の母と育ての母それぞれの哀感などが描かれていて、とても切ない。
自分は養子で血筋が違うから才能がないと悩む恋松に八重子が、
「努力という鍵を使わなきゃ、才能の扉は開きませんよ」
劇中劇のレビューで歌い踊る 「上がった幕はいつか降りる」
師である春杉夏希(北沢洋)が八重子のことを言う
「私の職業はアクトレス!でも八重子は違う…女優っていう生きものだよ」
など、心に残る珠玉のセリフの数々。
加納幸和の八重子は、才気あふれ奔放で可愛い女で、孤独と哀しみを胸に秘めていて、とても魅力的です。芸に悩む恋松に、物語の伏線にもなっている「姥ヶ池」の老女の役をつきっきりで教えるところは圧巻でした。なんとも雰囲気のある容姿、特に着物になってからの所作の美しさには目を奪われました。
着物といえば、怪人・宇治乃川霧は道成寺の白拍子花子のしつらえなのですが、衣装もメイクもモノトーンで、オペラグラスで覗くとまるでそこだけモノクロ写真のようで、不思議な雰囲気を醸し出していました。登場のたびに踊りを披露してくれていたのは道成寺の振りでしょうか。そういえば、五代目八十嶋告世役の堀越涼も終盤でパラパラ風振り付け道成寺を披露してやんやの喝采を浴びていました。
クライマックスでは本物の歌舞伎さながらの隈取りに衣装の歌舞伎舞台が展開されます。ふっきれた恋松はセリフ回しも発声も堂々の立役ぶり。それを劇場2階のバルコニーから静かに見守る、ほんとの怪人になってしまった八重子。切なくもステキなラストシーンでした。
20周年記念大トリ公演は「KANADEHON忠臣蔵」のごくらく度









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生の舞台は染ちゃんの「阿修羅城の瞳」初演しか観ていないような。高麗屋と同じ舞台で踊れるなんてーと、加納さんが喜んでいたのが可愛かったです。歌舞伎鑑賞歴は染ちゃんよりはるかに長いのにね。再演では出られなかったのが非常に残念でした。
>観たいものはできる限り万難排してその時に観るようにしています。
すご〜くわかりますよ〜ん。^^
トラコメありがとうございました。
加納さんの歌舞伎と演劇全てに対する愛情を感じ心が熱くなりました。
きっと,かぶき座の怪人におなりになって全ての舞台人を見守り続けられることでしょう(早いっちゅうに!)。
「阿修羅城の瞳」 鶴屋南北役でしたね。
私は舞台以外で加納さんを観たことがありません。朝ドラに出ていらしたとはオドロキです。
今回のプログラムには三津五郎さんとの対談が掲載されていましたが、染ちゃんともぜひ
また共演していただきたいです。
映像は繰り返して見ることができますが、ナマの舞台はほんとに一期一会ですものね。
体力と経済力?続く限り観続けます(笑)。
加納さんは美しくたおやかな雰囲気で、どこにあんな情熱を秘めていらっしゃる
のかと思いますが、薫陶を受けられる若手の皆さんはお幸せですよね。
加納さんが怪人になったらどんなお衣装を纏われるのかしら。
あの白いドレスもいいな☆
しかし歌舞伎をよく知った上でこの作品を観るとそういうふうに見えるのですね。あぁ楽しそう!私ももっと歌舞伎を知りたくなりました。
それから怪人・八代さんの衣裳&メイク。そこだけ白黒に切り抜かれたようで、自分の目がおかしいのかな?って不思議な感覚になりますよね。映像でもそうでしたが、生で観て益々そう感じました。
そして加納座長の何とも言えないあのたおやかさと美しさ。大好きなんですよね。
12月も楽しみです♪
やっぱり同じ日だったのですね!
いや〜、私もそんなに詳しくはないのですが、歌舞伎を知るようになって、
昔の花組芝居を今観たらもっといろいろわかるんじゃないかな、と思うこと
がたくさんあります。八代さんの怪人は、オペラグラス覗いた時、「え?」
と思って2度見してしまいました(笑)。
KANADEHON忠臣蔵も楽しみですよね。公演期間が短いのが難ですが。
ごめんなさい〜。このお芝居は観ていないのですが、目にとまった一文が。「酔って車ごと熱海の海に」入ってしまわれた女優さんのことです。
私もナマでは大阪(たぶん朝日座)で観た1回だけです。蜷川さん演出の「近松心中物語〜それは恋〜」。道行きで恋人が現れた時に飛び上がるシーンがあるのですが、その眼差しはもちろん、手の指先、足の爪先にまで「好き♪」という字が書いてあるようでかわいくって、あのお芝居は鳥肌モノでした。歳とった今こそ(笑)よくわかります、あの女優さんの素敵さが。あの舞台、もう一度見たいです!(コーフンしてこんなところに書いてしまいました・・・汗。)
こんばんは。
私がたった一度だけ観た彼女のお芝居も『近松心中物語』でした!
わかっていただけてうれしいです。本当に色っぽくてかわいくて、
それでいて凄味もあって、子供心にも(スミマセ〜ン。嘘つきました。
もはや子供ではありませんでしたっ。)、「ホンモノの女優さんを
初めて見た」と感じたものです。
文学座でも数々の舞台に立っていらっしゃるのに、何であの1回
しか観なかったんだろ、と今でも悔やんでいます(涙)。
私もスキップ様がおっしゃる女優さん大好きでした。
これぞ「女優」という方でしたよね。最近の素人さんとの境の分からない女優さん達とは一線を画してますよね。生き様からまるで違うという、艶やかな大輪の花みたいな方でしたね。
情が深いから恋の噂も多かったんでしょうね。私はそういう女性にとても弱くて。
豪快に笑ったお顔とか可愛い仕草とか思い出します。
花組芝居一度観たいと思ってたのですが、この記事を拝見して観たい熱が高まりました♪
コメントはいつでも大歓迎ですよ〜☆
こうして「あの女優さん好きだった」というお声を皆さんからお聞きするにつれ、
やっぱりすばらしい女優さんであったこと、多くのファンを魅了していたことを
今さらながら感じ入った次第です。
“艶やかな大輪の花”−まさしくそんな感じでしたね。あのころ噂のあった
某歌舞伎役者さんが彼女のお誕生日に真紅の薔薇を1000本贈ったというお話
がありましが、そんなことの似合う女優さんでもありました。