2007年06月09日

江島とお兼

六月大歌舞伎 夜の部
6月2日(土) 4:30pm 歌舞伎座 1階2列センター


気品があって華やか、鋭さ・厳しさと大らかさが同居した名演光る片岡仁左衛門の綱豊卿と若さの血気溢れる市川染五郎の助右衛門との丁々発止の台詞の応酬が息をつかせぬ緊迫感をもつ「御浜御殿綱豊卿」、威勢のよい加賀鳶がズラリ花道に並んでのツラネで始まる「盲長屋梅加賀鳶」は松本幸四郎の道玄の憎み切れない悪党ぶりが楽しく、重厚な幸四郎・弁慶に対する平知盛の市川染五郎の対決も見モノの「船弁慶」と、いずれ劣らぬ彩り豊かな3演目が並ぶ六月大歌舞伎夜の部、ワタシ的注目は江島とお兼、二役を演じ分けた片岡秀太郎。

「元禄忠臣蔵」 御浜御殿綱豊卿
徳川綱豊卿 片岡仁左衛門/富森助右衛門 市川染五郎/中臈お喜世 中村芝雀/御祐筆江島 片岡秀太郎

「盲長屋梅加賀鳶」 本郷木戸前勢揃いから赤門捕物まで
竹垣道玄・天神町梅吉 松本幸四郎/女按摩お兼 片岡秀太郎/日蔭町松蔵 中村吉右衛門

新歌舞伎十八番の内 「船弁慶」
静御前・平知盛の霊 市川染五郎/源義経 中村芝雀/武蔵坊弁慶 松本幸四郎


「御浜御殿綱豊卿」の江島は、後に大奥で起こすことになる江島生島事件でも有名ですが(仲間由紀恵主演で映画化もされましたね)、“御祐筆”というのは秘書のような役割。聡明で美しく、お喜世のことを親身になって考える情があり、だけどたおやかで色っぽい。女から見てもホレボレする魅力的な女性でした。

打って変わって女按摩お兼。道玄の情婦であり悪の相棒。このハスッパな悪女ぶりがまた秀逸で、強欲で憎らしいけど可愛いくて色気もあり、女性として完璧な江島とは対極にいるような女性なのにこれまたとても魅力的。片岡秀太郎の女力、全開です。

六月の歌舞伎座は、この他にも、「妹背山婦女庭訓」の定高・坂田藤十郎を筆頭に、雛鳥の中村魁春、「侠客春雨傘」の傾城葛城と「御浜御殿綱豊卿」の中臈お喜世の中村芝雀、忘れちゃいけない「綱豊卿」の意地悪なお歯黒の上臈・浦尾の市村萬次郎、と女形の競演華やかです。カッコイイ立役に目がいきがちですが、やっぱり女形の充実は歌舞伎の舞台に不可欠だなと改めて感じ入った次第です。


「花渡し」の腰元の中には守若さんも発見!のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 216 わーい(嬉しい顔) vs 218 ふらふら)
ニックネーム スキップ at 23:36| Comment(2) | TrackBack(1) | 歌舞伎・伝統芸能
この記事へのコメント
千穐楽レポにコメントを有難うございます。その記事をTBさせていただきましたm(_ _)m
>江島とお兼・・・・・・片岡秀太郎の女力、全開です。
このタイトルのように焦点を当てて初日のご感想を書いていただいていたのでしっかり注目して観ることができて感謝しております。私は一本一本のレポで書いているのですが、それぞれに秀太郎さんのこの二役についてもちょっとずつふれました(^^ゞ
「仁左衛門の綱豊卿vs染五郎の助右衛門」の評判がいいので友人の娘の歌舞伎デビュー幕見の約束を果たすのにこの作品にして正解でした。そしてそのおかげで2回観ることができたのもラッキーでした。迫力が進化しているのもしっかりと確認!仁左衛門さんにはこれからも若手をビシバシ鍛えていただきたいです。
Posted by ぴかちゅう at 2007年07月08日 12:07
ぴかちゅうさま
コメントとトラックバックをありがとうございます。
ぴかちゅうさんの作品一つひとつに愛と鋭い視線を注がれた熱血レポを
いつも楽しみに読ませていただいておりますが、この「御浜御殿」のレポも
すばらしかったです。それも仁左衛門さん、染五郎さんの熱演あってこそですね。
この作品が歌舞伎デビューとは、その娘さんもお幸せです。
Posted by スキップ at 2007年07月09日 01:15
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07/06/26 歌舞伎座千穐楽夜の部?絶品の「御浜御殿綱豊卿」
Excerpt: {/hamster_1/}6/13に「御浜御殿」の幕見で友人の娘に歌舞伎デビューをしてもらった。その日の記事はこちらそして千穐楽で再観劇。よかった!もうホントにすごい舞台だった!!感想アップがずいぶん...
Weblog: ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記
Tracked: 2007-07-08 11:38