2008年07月02日

耳で聴く勧進帳

今年11月にオープンするサンケイホールブリーゼ

この柿落し公演「冬の絵空」は、これまで劇場等で配布されていたフライヤーには出演=生瀬勝久の名前だけが挙がっていて、ずっと生瀬さん主演だと思っていました。が、本日、藤木直人主演と発表され、ほどなくアップされたブリーゼのサイトの公演情報によると、共演者も
橋本じゅん、中越典子、中村まこと、片桐仁、内田滋、小松利昌、それに松尾貴史と粟根まことのダブルキャストとかなり豪華。俄然興味がわいてきました。(演出に若干気がかりが残るが)

サンケイホールブリーゼといえば、他にも「米朝一門会」「野村万作・萬斎の新春狂言」「矢野顕子リサイタル」やと話題のステージ目白押しですが、そんな気になる舞台のひとつ、「片岡仁左衛門 特別公演」の演目が「関西・歌舞伎を愛する会」機関誌「大向う」に掲載されていました。

片岡仁左衛門 親子三代 特別公演 〜親子三代競演と仁左衛門による「一人勧進帳」

11月29日(土) 午後6時30分開演

ごあいさつ     片岡仁左衛門
一、雨の五郎     曽我五郎時致: 片岡千之助
二、時雨西行     西行: 片岡仁左衛門  遊女: 片岡孝太郎
三、25年ぶりの上演 片岡仁左衛門独演による 耳で聴く 勧進帳  片岡仁左衛門


勧進帳の独演を観るのも、耳で聴くっていうのも初めてなのですが、それがあの仁左衛門さんの声と口跡で語られるなんて、ほんとにスペシャルな機会でとても楽しみです。


S席20,000円 A席18,000円 B席15,000円・・・料金もスペシャルだけど、のごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 351 わーい(嬉しい顔) vs 353 ふらふら)
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2008年06月21日

「俊寛」+「加賀見山」の豪華二本立て

IMG_3763.jpg毎年楽しみにしている歌舞伎鑑賞教室(大阪市民歌舞伎)。今年の解説は坂東薪車さんでした。

平成20年度 歌舞伎鑑賞教室
歌舞伎・その美と歴史への招待


6月21日(土) 1:00pm クレオ大阪中央  1階C列センター


紺瑠璃の着物に薄鈍色の袴という夏らしい装いで颯爽と登場した薪車さん、水もしたたる男前っぷりです。
「歌舞伎」の「歌」の部分に焦点をあてて、ということで、藤舎勘秀さんの太鼓で風や水、雪などの音を聴かせていただいたり、ツケ打ちさんのツケに合わせて薪車さんが石を投げるポーズや武士と町娘(!)の歩き方の実演まで披露してくださいました。
千次郎さん、佑次郎さんの指導のもと、会場の観客を舞台に上げての殺陣の実演では、ショウタロウくん(5歳くらいかな?)という男の子の達者な殺陣と見得が会場の視線を独り占めです。将来は歌舞伎役者さんになりたいのですって。楽しみですね〜。
薪車さんの真面目でやさしい人柄がよく表れていて、とても好感の持てる解説でした。

そして最後に、太鼓やツケを効果的に使った演目ということで、上村純弥さんの岩藤、片岡當史弥さんのお初で「加賀美山」。お初が尾上の仇討ちをする一場面だけだったのですが、この上演は事前に知りませんでしたので、豪華なおまけをいただいたようで何だかとっても得した気分。
それにしても“お局様の元祖”と言われる岩藤を演じた純弥さん、憎々しくもコワかったわぁ。

第二部 「平家女護島 俊寛 鬼界ヶ島の場 」

俊寛僧都 片岡我當/丹波少将成経 上村吉弥/平判官康頼 坂東薪車/千鳥 中村京妙/瀬尾太郎兼康 片岡當十郎/丹左衛門尉基康 片岡進之介


我當さんは私がこれまで観た中では一番年上の俊寛かな?
登場の時はほんとにだいじょうぶかしらというようなヨレヨレぶりでしたが、セリフの一つひとつに重みがあって、華やかな京の都から遠く流島された悲哀が滲み出ていました。去り行く船を見送って岩に登り、最後に「お〜い」と叫んだ後、それまでの悲しみの表情から一転、意を決したように前を見据えた目が心に残ります。

丹波少将の吉弥さん。京のお公家さんらしい品のある美しいいでたちで、船の上からとても心配そうに俊寛を見守る表情が印象的でした。瀬尾の當十郎さんが憎ったらしい中にもコミカルな動きで会場の笑いを誘っていました。
クレオ大阪には花道がないので、成経や康頼、それに千鳥は下手の客席のドアを開けて通路を歩いて登場。いつも以上に客席に近くて、まわりの座席の人たちはどよめいていました。うらやましかったワ。

毎年思うことですが、これだけの内容でパンフレット(しかも演目の全セリフが入った床本入り)もついて2,000円は破格の料金です。今年で33回目。毎年梅雨時の暑い時期にこれを続けて来られた我當さん一門には頭の下がる思いです。


お名残惜しや俊寛殿のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 346 わーい(嬉しい顔) vs 348 ふらふら)
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2008年06月05日

浪花夏の陣

fune.jpg今年の大阪松竹座七月大歌舞伎の船乗り込みは、7月1日(火)午後3時から、京阪電車天満橋駅そばの八軒家浜船着場で式典の後、高麗橋・農人橋・日本橋と土佐堀川から東横堀川、道頓堀川を航行し、とんぼりリバーパークで下船、口上の後、午後5時頃松竹座前で式典という予定だそうです。

私の記憶では7月に入ってからの船乗り込みは珍しいという印象ですが、今年は7月5日と初日が遅いせいかしら。

梅雨入りしたばかりですが、心は早くもナニワの夏。
まるで顔見世のようなあの豪華メンバーが浴衣姿で船に乗って道頓堀川を行く姿を想像するだけでもワクワクします。楽しみっ!


こんな行事はいつも平日バッド(下向き矢印)の地獄度 ふらふら (total 342 わーい(嬉しい顔) vs 341 ふらふら)
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2008年06月01日

伝統芸能コラボレーション

sankyo.jpgお父上は能楽葛野流太鼓方の人間国宝 亀井忠雄、お母上は歌舞伎囃子方の田中佐太郎。能と歌舞伎、双方の優れた血統を受け継いだ亀井広忠(能楽太鼓方)・田中傳左衛門・田中傳次郎(歌舞伎囃子方)−ハイブリッド・ぴかぴかのカリスマ三兄弟です。

三響會は、この三兄弟が1997年から主催して来られたもので、関西では昨年に続いて2度目の京都公演でした。

「三響會」
5月28日(水) 京都四條南座 
昼の部 1:00pm 1階11列センター  
夜の部 5:00pm 1階17列センター

昼の部: 一、能と歌舞伎による 竹生島
      二、舞踊・狂言・歌舞伎 月見座頭
      三、能楽と歌舞伎による 船弁慶
      四、能楽 安達原

夜の部: 一、狂言 五人三番三
      二、能楽と歌舞伎による 船弁慶
      三、歌舞伎 安達原

出演: 太鼓・小鼓: 亀井広忠 田中傳左衛門 田中傳次郎
     笛: 福原寛 一噌幸弘
     三味線: 今藤長龍郎    長唄: 杵屋利光 

     能: 観世清和 観世銕之丞 片山清司  観世喜正
     狂言: 茂山千之丞  茂山正邦   茂山宗彦   茂山茂  茂山逸平  茂山童司
     歌舞伎: 片岡孝太郎 市川染五郎 片岡孝太郎 中村梅枝   中村壱太郎 
     舞踊: 藤間勘十郎 
 

すべての演目を通じて、太鼓、大鼓、小鼓、そして笛や三味線が響き渡り、その音のもつ静謐で凛とした中に迫力のある響きに聴き入って、「あの人たち、あんなにずっと鼓打って手が痛くならないのかしら」と余計な心配もしつつ、これだけの豪華メンバーを集められる力量に感嘆するとともに、囃子方はもちろん、能・狂言・歌舞伎・舞踊と伝統芸能を一度に楽しめる贅沢をとても幸せに感じた三響會。
能や狂言をこれまで観たのは数度、というミーハー初心者にして、「染ちゃんの船弁慶をまた観たい」という不純な動機(?)の私ですが、ときどきふっと意識が遠くに行きつつも(笑)、次々と繰り広げられる至芸に浸った1日でした。

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2008年05月31日

あやしの鉤爪

三響會で久しぶりに歌舞伎する市川染五郎さんを観て、やっぱステキぃぃ〜揺れるハートと染ちゃんLove再燃のところへ、南座でお目にかかった染ちゃんファンの方々から続々と届けられる情報・・・。

ひとつは皆さますでにご存知 キリンビールの高麗屋親子共演CM。
まだご覧になっていない方は、こちらキリンのHPで見ることができます。

そしてもうひとつの親子共演。

国立劇場11月歌舞伎公演 平成20年度(第63回)文化庁芸術祭主催
「江戸宵闇妖鉤爪」(えどのやみあやしのかぎづめ)−明智小五郎と人間豹−
市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候

2008年11月3日(月) 初日 11月26日(水) 千穐楽

江戸川乱歩作「人間豹」より 
脚色: 岩豪友樹子 演出: 九代琴松
出演: 松本幸四郎 市川染五郎 ほか


えっ、江戸川乱歩?
あやしのかぎづめ?
これって、歌舞伎なのですよね?

この時点ではファンの方たちもまだあまりご存知なかったようですが、国立劇場のサイトにも発表されていたのですって。

九代琴松さんってことは、幸四郎さん自ら演出ってことかぁ。
明智小五郎役は多分幸四郎さんですね。
となると染ちゃんは人間豹役かな。鉤爪の。
宙乗りとなると3階席でお迎えしたいところ、でもやっぱり間近の席で美しいお姿も拝見したい。
・・・ということは少なくとも2回は観ないと、ってこと?


だけど国立劇場ってほとんど1日1回公演なのですよね〜の地獄度 ふらふら (total 339 わーい(嬉しい顔) vs 339 ふらふら)
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2008年05月27日

タケル 尾張へ

100man.jpgスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」 
本日大阪松竹座千穐楽でした。
おめでとうございます。

出演者、スタッフの皆さま お疲れさまでした。
すばらしい舞台を本当にありがとうございました。

5月24日(土)に観に行った時には、ロビーに観客動員百万人達成(5/16 昼の部)の特別カーテンコールの写真と、そのカーテンコールに登場した梅原猛先生をはじめ猿之助さん、出演者の皆さんのサイン寄せ書きが展示されていました。

そして、タケルはいよいよ4ヵ月ロングラン公演最後の地 名古屋へ。

尾張の国でも、きっと大きな感動の渦を巻き起こしてくれることでしょう。


中日劇場公演6月9日初日のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 338 わーい(嬉しい顔) vs 338 ふらふら)
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2008年05月09日

スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』 段治郎天翔ける之記

yamato.jpg「猿之助さんのいないスーパー歌舞伎なんて・・・」と、スーパー歌舞伎からかなり遠ざかっていたため、『ヤマトタケル』を観るのは、初演(多分1986年の南座)以来でした。
右近さんタケルと段治郎さんタケルの2回(で済めばよいが)観るから、まずは全体を見渡せる席で、そうそう、いつも見上げてばかりの宙乗りも、天翔けるタケルを正面からお迎えしようじゃないの、と3階席をチョイス。恥ずかしながら不肖私スキップ、松竹座3階席初見参でございます。

スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』
5月5日(月) 11:00am 大阪松竹座 3階1列センター

作: 梅原猛   監修: 奈河彰輔
脚本・演出: 市川猿之助

出演: 市川段治郎 市川右近 市川笑也 市川笑三郎 市川寿猿 市川猿紫 市川春猿 
   市川猿弥 市川門之助 金田龍之介 ほか


初めてスーパー歌舞伎を観た頃は、自分の中で他に比べるものを持たず、ただただ感嘆したものでした。それから歳月を経て、今改めてわかる猿之助さんの偉大さ、舞台にかける情熱、その演出のすべてがどれほどすばらしいものか・・・これまで観たどんな舞台とも似て非なるものです。そして、「スーパー歌舞伎に猿之助さんがいない」のではなく、「舞台に出ていない」だけだということも。猿之助さん入魂の演出に若い役者さん一人ひとりが熱演で応え最高の舞台をつくり上げて、猿之助さんはまぎれもなく、スーパー歌舞伎の中で息づいていました。

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2008年05月06日

猿之助さん登場に感涙

takeru.jpgカーテンコール。

鳴りやまぬ拍手に一旦降りた幕が再び上がった瞬間、場内は「おおおぉ〜」という歓声と万雷の拍手に包まれました。
出演者に囲まれて舞台中央に立つその人−市川猿之助−の姿がそこにあったから。

1階客席は総立ち、お芝居ですでにウルウル状態の私は本当に久しぶりにお目にかかる猿之助さんの姿に感激のあまり大泣きで、客席に向かってゆるり手を振る猿之助さんの姿も涙でかすむほどでした。

スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』
5月5日(月) 11:00 大阪松竹座 3階1列センター


この日、席に着いてみると、前々日の『かしまし娘さんを囲む会』で「いずれまた劇場でお目にかかりましょう」とお別れしたばかりのとみさんと一人おいてお隣の席で、思いがけず早い再会に驚きつつうれしい観劇となりました。猿之助さん登場の感動を共有できたことも大きな喜びです。


劇場ロビーに飾ってある猿之助さんの歌舞伎絵にも涙たらーっ(汗)のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 330 わーい(嬉しい顔) vs 329 ふらふら)
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2008年04月28日

澤瀉屋さん、早くよくなってくれないかなぁ

四月大歌舞伎は、中村勘三郎奮闘公演のような趣でもありました。

昼の部『刺青奇偶』では、博奕打ちの手取りの半太郎。人生に疲れて自暴自棄になったお仲(坂東玉三郎)を助け、やがて夫婦となるものの博奕は止められず貧しい暮らしの中、病魔に侵され死期を悟ったお仲が「博奕をやめてほしい」という願いを込めて半太郎の腕にさいころの刺青を彫り・・・。

歌舞伎というより新派のお芝居か、映画を観ているような印象。
勘三郎、玉三郎の確かな演技力と台詞術に裏打ちされた自然な演技が光ります。そして終盤にちょこっと登場の鮫の政五郎の片岡仁左衛門。いつもより数段低く太い声で度量の座った凄味のある侠客ぶり。カッコイイ!

夜の部『浮かれ心中』では、絵草紙作者として有名になろうと奮闘する伊勢屋若旦那 栄次郎。戯作者仲間の太助(坂東三津五郎)とのコンビが楽しい。私が歌舞伎を観始めた頃、中座の舞台にはいつも勘九郎さんと八十助さんがいて、いろんな世界を見せてくれました。その二人の楽しそうな様子がうれしくも懐かしかったです。

このお芝居は女方も大活躍。まずは、女房おすずの中村時蔵。美しさはもちろん、かわいらしさも色っぽさも併せ持っていて魅力たっぷり。喧嘩の場面は思わぬドスの効いた男声の啖呵に拍手喝采。(時蔵さんは、『本朝廿四孝』でもかわいくも華麗な赤姫・八重垣姫を見せてくれていて、このところ絶好調といった感じです。)その喧嘩ではじきとばされた妹お琴ちゃんの中村梅枝。キレイな海老反りを見せてくれました。そして三浦屋帚木の中村七之助、本当にキレイ。妖艶で気位の高い花魁がピタリはまって、外八文字で引込んで行く花魁道中に目が釘付けでした。身請けされた後はフツーのきれいなお姉さんになっちゃうところが、今後の課題でしょうか。

中村勘三郎の栄次郎は「笑いを取ろう」とする気持ちに走り過ぎる傾向がなきにしもあらずですが、お客を楽しませようとする姿勢は天下一品。登場するだけでパァ〜っと舞台が華やぐ真問屋の登場から最後のちゅう乗りまで、いつも全力投球の大熱演は求心力たっぷりです。

そのちゅう乗りでもいろんなものを宙から振り撒いて楽しませてくれた勘三郎さん。ぼそっとつぶやいたひと言がこの日一番印象に残りました。

「澤瀉屋さん、早くよくなってくれないかなぁ」

その澤瀉屋さん=市川猿之助がつくり上げたスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」
いよいよ五月 大阪松竹座に登場です。


昼夜通しはやはりちとツライの地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 325 わーい(嬉しい顔) vs 325 ふらふら)
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2008年04月26日

とんだところに

IMG_3449.jpg東銀座駅のあちこちで見かけるイヤホンガイドの広告の中で、このコピーが一番のお気に入り。

去年南座の顔見世で観た仁左衛門さんの「河内山」思い出しますぅ。



ちょっとニザ様病なんじゃない?の地獄度 ふらふら (total 325 わーい(嬉しい顔) vs 324 ふらふら)
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2008年04月24日

一期の涙

IMG_3446.jpg歌舞伎座百二十年 四月大歌舞伎 夜の部
歌舞伎十八番の内 「勧進帳」

4月20日(日) 4:30pm 歌舞伎座 2階3列センター

出演: 武蔵坊弁慶 片岡仁左衛門/富樫左衛門 中村勘三郎/
亀井六郎 大谷友右衛門/片岡八郎 河原崎権十郎/
駿河次郎 市川高麗蔵/常陸坊海尊 市川團蔵/
源義経 坂東玉三郎



ついに泣かぬ弁慶も、一期の涙ぞ殊勝なる

安宅の関で知力をつくして義経を守りぬき関所を通り抜けた後、富樫の疑惑を欺くためだったとは言え義経を杖で打ち据えたことを詫びる弁慶。大きな体を二つに折るようにひれ伏して一期の涙・・・生涯でただ一度の涙を流す弁慶の姿にこちらまでもらい泣きたらーっ(汗)
寄る年波のせいかとみに涙もろくなっている私ですが、「勧進帳」で泣いたのは初めてでした。

片岡仁左衛門のつくり出す弁慶は、スーパーマンではなく、とても人間的な、強さも弱さも厳しさもやさしさも併せ持つ魅力にあふれた人物で、義経への思いがあふれていました。
安宅の関で富樫の追及をかわす時には毅然として自信にあふれています。勧進帳の読み上げやそれに続く山伏問答という丁々発止のやり取りは緊迫感が漲り、とても見応え聴き応えがありました。これまで幾度となく観てきた「勧進帳」ですが、山伏問答をこんなにしっかり聴いた(というより聴けた)のは初めてではなかったかしら。義経を打擲する際にも弁慶は迷いの片鱗も見せません。その弁慶が関所を通りぬけると一転して、うなだれてまるで消え入りたいと言わんばかりに体を小さくして義経に詫びるのです。本当に義経のことを敬慕していて、義経を守るためのやむにやまれぬ行為だったことが痛いくらいに伝わってきて、そりゃ判官だって御手を取り給うというものです。

延年の舞を舞いながら義経一行を先に行かせ、富樫と別れて花道に一人残る弁慶。
まず富樫のいた方角へ向かって頭を下げ、次に天を仰いで感謝を捧げ、再び正面を向き直った時には厳しい表情をしています。安宅の関はなんとか切り抜けることができたけれど、これから先まだまだ続くであろう困難を見据えているかのようでした。その厳しい顔つきのまま飛び六方で花道を走り去って行くのですが、これまで、安宅の関をうまく越えられたことを弁慶が喜んでいたり安堵しているように捉えていた飛び六方とはイメージが違っていて、この先にこの主従を待ち受ける悲劇も暗示させる、万感の引っ込みとなりました。


このトリオでの「勧進帳」はこれが見納め?のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 325 わーい(嬉しい顔) vs 323 ふらふら)
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2008年04月16日

未来は奈落へ沈むとも

浪花花形歌舞伎 第二部 「双蝶々曲輪日記」 角力場/難波裏/引窓
4月13日(日) 3:05pm 大阪松竹座 1階2列センター

出演: 中村亀鶴 中村翫雀 中村壱太郎 片岡孝太郎 坂東竹三郎 ほか


人気大関 濡髪長五郎がにわか力士の放駒長吉にわざと負けるいきさつを描く「角力場」
濡髪が恩義ある与五郎を助けるために過って人を殺してしまう「難波裏」
そしてこのお芝居の眼目ともいえる「引窓」では、お尋ね者となった濡髪(亀鶴)が、八幡村の郷代官の後妻となり義理の息子の与兵衛(翫雀)とその女房のお早(孝太郎)と暮らす実母お幸(竹三郎)に暇乞いに訪れる場面から始まります。

濡髪、お幸、お早、与兵衛、このお芝居の登場人物はみんないい人で、それぞれが互いを思いやる姿が温かく、そして切ない。そしてその思いやりの中心にいる人物はお幸・・・もっと言えば、お幸が我が子濡髪を何とか生かそうとする母心に、お早も与兵衛も、当の濡髪までも応えようとしてるかのようでした。

坂東竹三郎のお幸は子を思う母とはこうあるものかと実感させられる名演です。
与兵衛が手にした濡髪の似顔絵が描かれた手配書を買いたいというお幸。
「鳥の粟を拾うようにためておかれたその銀。仏へあげる布施物を費やしても、この絵姿がお買いなされたいか」と問う与兵衛に、「未来は奈落へ沈むとも、今の思いには替えられぬわいの」と絞り出すようなお幸の言葉にたまらず落涙。

「引窓」とは明かり採りのための天窓のことで、この窓がこの物語のもうひとつの主役。
郷代官として夜の探索の任を負う与兵衛に、引窓を明けて「まだ日は高い」と言うお早。
「私に縄をかけて与兵衛に渡さなければあの世の夫への義理が立ちますまい」と濡髪に諭されてお幸が濡髪を縛る縄は引窓を開閉する紐。ここで紐を引くために引窓が閉まります。
「受け取って手柄に召され」と濡髪を引き渡そうとするお幸に、濡髪の縄を切る与兵衛。
すると引窓が開いて月の光が差込み、与兵衛は「夜が開けた。みどもの役目は夜ばかり」と濡髪を逃がすのです・・・というように、引窓の開閉で実際の時とは別に、それぞれの人の心の“昼夜”を表わすというのもいかにも歌舞伎らしい演出で印象的でした。


位置情報 この日は千穐楽とあって客席でたくさんの方にお目にかかることができましたが、終演後には「風知草」のとみさん「楽しい☆おいしい☆うれしい☆Happy」のcocoさん「星月夜に逢えたら」のムンパリさん、そして「月明らかに星稀に」のかずりんさんとご一緒にしばしティータイムで盛り上がり、話題は早や松竹座の七月大歌舞伎にまで。短いながら濃厚な時間を過ごしました。みなさま、ありがとうございました。


亀鶴さんの濡髪。ほんとに錦絵のようのごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 322 わーい(嬉しい顔) vs 321 ふらふら)
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2008年04月09日

鬼門の喜兵衛!

nani.jpg「会社帰りに歌舞伎を観る」という感じが何だかうれしくて、午後7時から始まる浪花花形歌舞伎の第三部は、少し無理をしてもできるだけウィークデイの夜に観るようにしています。

第五回浪花花形歌舞伎 第三部 「於染久松色読販」 お染の七役
4月8日(火) 7:00pm 大阪松竹座 1階4列センター

出演: 中村扇雀 中村翫雀 中村亀鶴 坂東薪車 坂東竹三郎 
    片岡孝太郎 片岡愛之助 ほか


質店油屋の娘と丁稚の心中という江戸時代に実際に起きた事件から生まれた物語は、その二人−油屋娘お染と丁稚久松を始め、七役を中村扇雀が勤めます。ウワサに聞く早替りはほんとに早くて、あちこちで「ほ〜っ」という声があがっていました。早替りで出てくるたびに後ろの席でご覧になっていた外人さんにお連れの方が、same person, same person と説明なさっていたのもおかしかった わーい(嬉しい顔) ほぼ出ずっぱりの上に、衣装や外見ばかりでなく、声色、口調やしぐさまで、一瞬の変化で七人を演じ分ける扇雀さん、すごい。

が、この演目で俄然目をひいたのは、片岡愛之助の鬼門の喜兵衛。
揚幕から登場して花道七三で第一声を発した時から、お芝居の雰囲気がガラリと変わりました。喜兵衛は、久松の父が切腹する原因となった宝刀を盗み、それを質に入れたお金を使い込んだ挙句そのお金を調達するために質屋をゆする、という悪人ですが、何とも男気も色気もある人物。剃刀を口にくわえて着物の裾をはしょる場面なんて、妖しい色気と殺気があって、観ていてゾクっとしました。両手を懐に入れたまま籠を担ぐイナセな仕草や、いつもよりワントーン低く感じられる声も男っぽさを増し、ちょっと巻き舌風のしゃべり方も板についています。昨年の『夏祭浪花鑑』の団七九郎兵衛につづいて、愛之助さんの当り役のひとつに数えられるのではないかしら。

片岡孝太郎の油屋多三郎も印象に残ります。孝太郎さんの立役を観るのは初めてじゃないかな?いかにも育ちのよい、ちょっとコマッタ女好きなのだけど、憎めないぼんがそこにいました。


七役の中で好きだったのはお六と芸者小糸のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 318 わーい(嬉しい顔) vs 317 ふらふら)          
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2008年03月30日

素顔の見得

kabuki.jpgよみうり文化センター主催の「片岡愛之助 歌舞伎への招待」に行ってきました。

よみうり歌舞伎講座シリーズ
片岡愛之助 歌舞伎への招待
3月28日(金) 6:30pm エル・シアター D列センター

第一部:語ります 
京都造形芸術大学教授の田口章子さんを聞き手に迎えた愛之助さんのトークショー

第二部:見せます
片岡千蔵さん、片岡松之さん、ツケ打ちの小西博文さん、
さらに客席からの有志6名を加えて立ち回りの解説と実演    という二部構成でした。

第一部は、愛之助さんの誠実で飾らない人柄が表れていて、それでいて関西人らしくオチをつけて笑いを取ることも忘れず、とても楽しいトークショーでした。田口先生の質問に答える折り目正しいやり取りの合間にちらりと挟まれる今の若者らしい感覚−「マジかよ〜」なんていう言葉も愛之助さんの口から発せられると可愛らしく微笑ましく、品よくさえ感じられるから不思議です。

堺の普通の家庭の坊ちゃんだった寛之少年が歌舞伎の世界に入るようになった経緯や、昨年七月松竹座で急な代役で『鳴神』を演じることになったくだりなど、すでに見聞きしている話も、その時々の具体的な状況や気持ちを交えて愛之助さんから直接語られると興味深さもひとしおです。

中でも最も印象に残ったのは、
「片岡愛之助」という名前は、他の家に比べて名前が少ないという松嶋屋の名前の中から、先代(十三代)片岡仁左衛門さんがつけてくださったお名前で、当代で六代目ということですが、一度お弟子さんに与えた名前は、次の代になっても本家には戻せない(下に落としてしまった名前だから、というニュアンスだったと思いますが)というのが歌舞伎界の習わしで、“養子になる”ということは、その問題が解消される意味あいもあったということ−歌舞伎の家の名前を継承する重さを改めて感じたエピソードでした。

間もなく開幕する「浪花花形歌舞伎」第一部 『妹背山婦女庭訓』で金輪五郎今国を初役で演じる愛之助さん。普段は叔父でもある仁左衛門さんに教えを請うことが多いようですが、この役は仁左衛門さんもおやりになったことがないということで、中村吉右衛門さんに教えていただいたので、今回は播磨屋型の金輪五郎になるのだそうです。昨年五月演舞場で観た吉右衛門さんの豪快な金輪五郎が思い出されました。愛之助さんがどう演じてくださるか、楽しみですね。

第二部に登場した片岡千蔵さんは、松竹座や南座など、関西の歌舞伎の舞台ではお馴染みのお顔ですが、先代仁左衛門さんの最後のお弟子さんで、今は殺陣師のお仕事もなさっていて、この日の最後に3人で披露してくださった殺陣は千蔵さん作のものだとか。

第一部のスーツ姿とはうって変わって、桜鼠か薄鈍色(かな?)の紋付袴で登場の愛之助さん。大詰めの見得もピタリと決まりましたが、素顔のまま切る見得を見るのは多分初めてで、とても新鮮で見応えありました。殺陣のためにピンマイクもはずしていらしたので、最後のご挨拶や大阪締めはマイクなし、まさに“ナマ声”を堪能させていただきました。


愛之助さん“じゃんけん”のこと“じゃいけん”って言うのね〜のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 314 わーい(嬉しい顔) vs 314 ふらふら)
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2008年03月17日

降参!

IMG_3260.jpg市川海老蔵演じる団七九郎兵衛とお辰の二役を観たいとチケット入手を試みた「第24回四国こんぴら歌舞伎大芝居」。自分の名前はもとより、家人や相方さんの名前まで拝借して申し込んだ琴平町役場の抽選は全敗 爆弾

昨日(3/16)、キャンセル分を電話で受付ということでしたが、こんな状態ではキャンセルなど望むべくもなく、旅行代理店の企画商品などは別にして、正規ルートでのチケット戦線はこれにて終了、降参・撤退でございます バッド(下向き矢印)バッド(下向き矢印)

来年以降の作戦練り直しですね。


一昨年チケット取れたのってキセキだったの〜?の地獄度 ふらふら ふらふら (total 310 わーい(嬉しい顔) vs 306 ふらふら)
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2008年03月04日

ラぁブレタぁ〜 フロ〜ム 勘三郎さん!?

「楽しい☆おいしい☆うれしい☆Happy」のcocoさんが、「歌舞伎役者からのラブレター」というサイトを紹介してくださっています。自分の名前を入力する(女性限定!)と、歌舞伎役者さんからのラブレターが届くというものなのですが、早速やってみたら、これがね〜。


最愛なるスキップちゃんへ

会いたい。
今日会ったばかりなのにもう一度スキップちゃんに会って伝えたいことがあるんだ・・・。
俺はスキップちゃんのこと・・・・・・
どうしても言えなかった言葉、今度はちゃんと伝えたいんだ。

スキップちゃんと一緒に行った有楽町マリオン
スキップちゃんと一緒に行った南座
スキップちゃんと一緒に行った歌舞伎座
そして・・・
スキップちゃんと一緒に買ったフランスパン
スキップちゃんと一緒に買ったお香
スキップちゃんと一緒に買ったワイン

手をつないで一緒に歩きたい。
もう一度、スキップちゃんの温もりを感じたいんだ・・・。
俺の未来にはスキップちゃんが必要なんだ。
お願いだ、坂東薪車と別れて俺と付き合ってくれ。

中村勘三郎

もう、きゃ〜黒ハートです。
あんまり楽しかったので本名でもやってみちゃいました。


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2008年02月24日

若さあふれるニ頭の獅子

renjishi.jpg坂東玉三郎特別舞踊公演 『連獅子』

狂言師右近後に親獅子の精: 市川海老蔵
狂言師左近後に仔獅子の精: 尾上右近
浄土の僧 遍念: 坂東薪車
法華の僧 蓮念: 坂東竹三郎


「連獅子」は「道成寺」と同様、歌舞伎の定番の演目の一つですが、なぜかご縁が薄い私はこれが三度目。初めて観たのは平成14年松竹座の初春大歌舞伎 市川團十郎・新之助の親子獅子でした。あれから6年を経て、新之助が海老蔵となり、親獅子を演じるようになったとは感慨深いものがあります。

その市川海老蔵。狂言師右近での登場はとても美しく、客席からは玉・菊花子の時とはまた違ったため息がもれていました。時々左近を気遣うような視線を送り、谷底をのぞき込んで仔獅子が生きていることがわかった時のうれしそうな、慈愛に満ちたやさしい顔は、「あんな表情もするんだ」と新しい一面を見せていただいたようでした。一転して後シテの毛振りでは、「おいらだってまだまだ負けちゃいないぜ」とでも言いたげな暴れん坊ぶり(?)
幕間のロビーで小耳にはさんだ某関西有名人マダムの会話「あれはモテるわ」には思わず笑っちゃいましたわーい(嬉しい顔) 海老蔵さん、なにわマダムのハートをわし掴みです。

踊りは天性の素質と名高い尾上右近は、溌剌として弾むような仔獅子。手首から先がとても大きいことが目をひきましたが、その長い指の先、足のつま先にまで神経の行き届いたきびきびした踊りは観ていてとても心地よいものでした。“曽祖父の六代目尾上菊五郎のDNA”とよく言われていますが、ご本人の精進も並々ならぬものと拝察いたします。

ひとつ気になったのは、二人揃っての毛振りの時、右近仔獅子が両足を正面に平行に立っているのに対して、海老蔵親獅子は左足を斜め後ろにひいた形。そのため正面からは少し半身になって見え、毛先が描く軌跡も楕円のように見えたのですが、あれは成田屋の型なのでしょうか。


坂東竹三郎・薪車の息のあった蓮念・遍念も楽しかった♪のごくらく度 わーい(嬉しい顔)   (total 302 わーい(嬉しい顔) vs 299 ふらふら)
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2008年02月20日

鐘に恨みは数々ござる

IMG_3227.jpg坂東玉三郎 特別舞踊公演 
「京鹿子娘二人道成寺」 道行より押戻しまで

白拍子花子: 坂東玉三郎
白拍子花子: 尾上菊之助
大館左馬五郎: 市川海老蔵

2月17日(日)2:00pm 大阪松竹座 1階5列センター



昔、宝塚が好きでよく通っていたころ、フィナーレ近くになって舞台奥から大階段がせり出してくると、「ああ、もう終わっちゃうんだ」と悲しい気分になったものでした。そんな感情を久しぶりに思い出した松竹座の舞台。鐘が大階段と同じ存在(大階段と違って鐘は最初から舞台上にありますが、その存在がクロースアップされるという意味で)。いつまでも観ていたかった・・・。憎らしい鐘・・花子さんではないけれど、鐘に恨みは数々ござる、です。

鐘といえば、玉三郎花子が鐘をキッと見据える目がとても好き。恨みというか、怨念の中に哀しみと妖しさの情念の炎が燃えるような目つき。もしも私が鐘だったら、あんな目で見据えられたらイチコロ、どすんと落ちてしまうでしょう。

シネマ歌舞伎でこの演目を初めて観た時、最初に花道で二人の花子が並び立つ場面で鳥肌が立って、訳もなく涙がポロポロこぼれました。これをこの目でナマで観る日がくるなんて・・・で、
案の定泣きましたたらーっ(汗) 扇子をくわえて揃って踊る二人を観ているだけで何故だか涙が出てくるのです。マイッタ。
「キレイ」とか「華麗」とかいう言葉では表現しきれないほどの、空気感まで支配するかのような二人の花子が繰り広げる超越した陶酔の世界に、劇場全体がすっぽりはまってしまったかのようでした。

このお二人の「京鹿子娘二人道成寺」は平成16年と平成18年の歌舞伎座に続いて3度目の上演ですが、1回ずつコンセプトが違うのだとか。シネマ歌舞伎になったものは平成18年の公演のものですが、花子の光と影、陽と陰を二人が踊り分けていたように感じたのに比して、今回はより“一人”になったという印象を受けました。二人の踊りの違いも以前ほど際立って感じませんでしたが、これは菊之助花子の精進の賜物か、はたまた目の前で観る花子の魔力に私の目も心もすっかり奪われてしまったためか定かではありません。鈴太鼓の踊りに象徴されるように、菊之助花子が一人で踊る場面が多くなっているのも印象的でした。

『オレの親父の市川團十郎が幾度と勤めし十八番、歌舞伎の花の押戻し』と自ら名乗って登場の大館左馬五郎(市川海老蔵)はさすがに力入っていて堂々たる押戻しぶりでした。この押戻しがついたこの三人の奇跡のようなこの演目を組んでくださった松竹さんに感謝。

三門の場面も菊之助花子一人なので、玉三郎花子の声を聴くことは最後までありませんでしたが、大詰め、蛇体となった二人の花子(清姫の亡霊)が鐘に上ったところで、「はっ」っという玉三郎清姫の掛け声をきっかけに全員が見得を決めて幕を迎えます。さすが座頭、カッコイイ!

位置情報 鐘の上では、菊之助清姫は鐘の綱を持って中腰、玉三郎清姫は何にも体を支えずあの鐘の上にスックと立って微動だにしません。ますますカッコイイ!!

位置情報 左馬五郎が「大和屋の兄さんと音羽屋の菊之助によく似た化け物」というセリフ。
この日は「大和屋のあにぃ」と言ったように聞こえたのですが、空耳かしら?
それにしても同級生の菊ちゃんは呼び捨てっていうのも海老蔵さんらしいですね。

位置情報 玉三郎さんを筆頭に皆さんフォトジェニックだから舞台写真はあれもこれも欲しくてコマル。二人の清姫と左馬五郎のスリーショットは絶対買いでしょ、それから、それから、と迷い続ける私に、「菊之助ってどれですかぁ?」と問い、これとこれと、と教えると、「よし、ここからここまで」って思い切りよく大人買いしてた若いお嬢様・・・お見事でございました。


もう1回観たいけどチケット完売でピクリとも動かずのごくらく地獄度 わーい(嬉しい顔) ふらふら (total 301 わーい(嬉しい顔) vs 299 ふらふら)
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2008年02月06日

悩ましい4月

聞くところによると、4月の歌舞伎座 夜の部では、

「勧進帳」  
弁慶: 片岡仁左衛門
義経: 坂東玉三郎
富樫: 中村勘三郎


なんていう座が組まれているとか。

何これ?かなり観たいや〜んグッド(上向き矢印)
これまで何回も観た「勧進帳」ですが、この3人の組み合わせも、3人のそれぞれの役もまだ観たことがありません。

4月といえば、ワタクシ事ながら週末に研修が2回あってかなり忙しい。
「四国こんぴら歌舞伎大芝居」も今のところ行く気マンマン(抽選もまだだけど)。
さらに忘れちゃならない「浪花花形歌舞伎」もあります。
おっと、そうだわ、御園座の「陽春歌舞伎」だって控えてます。

こんな中、お江戸へ上れるのか?ワタシ。
なんとも悩ましい4月です。

ちなみに昼の部は
「熊野」     熊野: 坂東玉三郎  宗盛: 片岡仁左衛門
「刺青奇偶」  半太郎: 中村勘三郎  お仲: 坂東玉三郎  鮫の政五郎: 片岡仁左衛門



時間もお財布もいくらあっても足りませんの地獄度 ふらふら (total 296 わーい(嬉しい顔) vs 296 ふらふら)
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2008年01月31日

最前列の功罪

hatsuharu.jpg

「壽初春大歌舞伎」 昼の部  1月14日(月)11:00am 大阪松竹座 1階1列センター

一、芦屋道満大内鑑 葛の葉
中村扇雀 坂東竹三郎 中村翫雀 ほか
二、佐々木高綱
片岡我當 片岡進之介 上村吉弥 坂東薪車 坂東彌十郎 中村翫雀 ほか
三、芋掘長者
坂東三津五郎 中村扇雀 坂東彌十郎 上村吉弥 中村橋之助 ほか
四、伊賀越道中双六 沼津
坂田藤十郎 片岡秀太郎 坂東彌十郎 坂東三津五郎 片岡我當 ほか


基本的にミーハーな私は、とにかく前で、役者さんの息づかいが聞こえるくらい間近の席で観たい方なのですが、一番前の席となると少しばかりフクザツ。舞台をすごく見上げる感じになって足元とか見えないし、特に歌舞伎の場合、花道七三なんて、首をぐるりんとねじって観ないといけなかったり、揚幕方面に向かって見得を切られた時なんて後姿を観ることになってしまう訳です。ところが、web松竹で友の会先行開始日の10:00きっかりにはり切ってアクセスしたりすると、この最前列が取れちゃうことが結構あります。余裕のある時は少し時間を置いてやり直したりもしますが、ほとんどの場合そのまま買って、うれしいような悲しいような気分を味わうことになります。で、今回。

台詞を聴かせる演目が多かったせいか、何だかとてもストレートに役者さんの言葉が伝わって来てすごく集中して観ることができました。特に「佐々木高綱」。普段なら、このポジションの演目って、私の中では緊張感ゆるみがち(ゴメンナサイ)、しかも“新歌舞伎”ってちょっと苦手・・・なのですが、高綱(片岡我當)が過去に犯した罪を懺悔するところや頼朝への憤懣を語る場面では、対面で話を聴いているような不思議な感覚にとらわれ、とてもよく台詞が入ってきました。最前列のほぼセンターだったことで、舞台との間を遮る人影が目に入らなかったことが奏功したように思います。

役者さんで印象に残ったのは上村吉弥。
吉弥さんのキリリと美しい女方が大好きなのですが、この昼の部では「佐々木高綱」の子之介と「芋掘長者」の左内という2つの立役。まるで別人かと見紛うばかりの2つの違った表情を見せてくれて、ほんとに吉弥さんは不思議な人。

「沼津」の十兵衛(坂田藤十郎)・平作(片岡我當)の“道中”もとても楽しかったです。客席で黒紋付に稲穂のかんざしの正装の芸妓さんを目ざとく見つけた藤十郎さん。「こっちの道を行きたい気ぃがするんやけど」と茶目っ気も色気もたっぷり。我當さんの平作は、普段もあの髪型してるんじゃないの?と思うくらい板についていて、飄々としたおとぼけぶりがおかしくも可愛らしく、それだけに千本松原での命を賭しての親心には涙をしぼられました。


葛の葉の早替わりと曲書も見事でした〜のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 295 わーい(嬉しい顔) vs 294 ふらふら)
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2008年01月28日

雷神不動北山櫻

naritaya.JPG初春花形歌舞伎 成田山開基1070年記念 通し狂言『雷神不動北山櫻』
出演: 市川海老蔵 中村芝雀 市川門之助 市川段治郎 澤村宗之助
     市川猿弥 大谷友右衛門 ほか

1月19日(土) 4:30pm 新橋演舞場 1階5列下手


『雷神不動北山櫻』は、寛保2年(1742)初演(266年前!)。
歌舞伎十八番『毛抜』『鳴神』『不動』の三作品は、全てこの『雷神不動北山櫻』の一幕として上演されたものなのだそうです。鳴神上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王の5役を市川海老蔵が勤めます。

「市川海老蔵の5役」「空中浮遊イリュージョン」と話題満載のこの公演。初春らしい明るく華やかで楽しい仕上りの舞台でした。「毛抜」と「鳴神」のつながりもなるほどそういうことだったのか〜とわかったり、歌舞伎のお勉強にもなりました。
一番のお気に入りは大詰めの「朱雀門王子最期の場」。朱塗りの美しい朱雀門を背景に、梯子を使った派手な殺陣、次々にトンボを切る四天、そして早雲王子の豪快な見得、と、歌舞伎の醍醐味満載、とても華やかでワクワク感もたっぷりの場面でした。

幕開き ひとり紋付袴で正座しての物語と役の説明から、まさに“市川海老蔵奮闘公演”といった趣ですが、お客様目線のご挨拶ぶりに座頭としての強い自覚と責任を感じました。5役の中では悪役ながら早雲王子がこの物語の主役と目され、存在感も力の入れようもバツグン。悪役とはいえ陽成天皇の兄にあたる役なので、品は不可欠、カリスマ性も感じさせて、こんな役はほんとによくお似合いです。女好きの安倍清行ではふわ〜んとしたやんごとなき雰囲気に、光の君が思い出されました。最後に登場する不動明王の“イリュージョン”はご愛嬌かな。
見どころたっぷりのおもしろい舞台なのですが、盛りだくさんすぎて一つひとつの物語があっさり過ぎていくのが玉にキズといったところ。5役なので早替わりももちろんアリなのですが、早替わりで登場しても「おお〜っ」と客席がどよめく感が少ないのが気になります。見せ方というか、演出の問題でしょうか。

『鳴神』の雲の絶間姫は、私が歌舞伎の女方だったらやりたい役 No.1 なのですが、今回中村芝雀の雲の絶間姫がとてもよかったです。可愛くて艶っぽくて、だけど品も失わないマダムといった感じ。これならさすがの上人も堕とされちゃうのも納得です。

この狂言を初演した2代目市川團十郎は、成田不動尊の申し子とも伝えられているとか。演舞場2階のロビーでは、開基1070年を記念して成田山新勝寺から不動尊の出開帳が行われていました。そんなことからも、歌舞伎界にとってやはり市川宗家「成田屋」が別格の存在であることを改めて印象づけられた舞台でもありました。

位置情報 三幕目「木の島明神境内の場」では、安倍清行(市川海老蔵)を探して、文屋豊秀(市川段治郎)と紀定義(市川欣弥)が客席通路を徘徊・・・そこに安倍清行ご本人も登場して「降りてみようかの」と客席に降りて来たのでやんやの大歓声ハートたち(複数ハート) そういえば大阪松竹座の「沼津」でも藤十郎さんと我當さんが客席歩いてたし、浅草歌舞伎の「与三郎」でもそんな場面があったとか。客席歩くのが今年のお正月公演のトレンド?

位置情報 2階客席の最後尾では、篠山紀信さんがずっと舞台にカメラを向けていらっしゃいました。紀信さんの撮影された美しい写真に彩られた2008年海老蔵カレンダーが発売中ですが、早くも来年のカレンダー用かしら、それとも新しい写真集の企画でしょうか。

位置情報 終演後、東銀座方面へ向かって楽屋口を通りかかったところ、コートも着ないで黒づくめの服装をカッコよくキメた段治郎さんがすでにファンの方に囲まれていらっしゃいました。早っexclamation


北山大滝の龍神は今まで見た中で一番立派のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 293 わーい(嬉しい顔) vs 293 ふらふら)
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2008年01月27日

本当なの!?

昨日配信されたチケットホン松竹インフォメールの情報なので、すでにたくさんの方がご存知のことと思いますが。

大阪松竹座 『関西・歌舞伎を愛する会第十七回 七月大歌舞伎』
7月5日(土)初日〜29日(火)千穐楽

出演: 坂田藤十郎 尾上菊五郎 片岡仁左衛門 片岡我當 片岡秀太郎
    片岡進之介 片岡孝太郎 尾上松緑 尾上菊之助 片岡愛之助


ま〜、何なんでしょ。この豪華な出演陣は。
確か仁左衛門さんは、昨年の関西・歌舞伎を愛する会の交流会の折に、
「来年は大阪の舞台に出演予定はありません。」
とおっしゃったと聞きましたが、予定変更になったのでしょうか。

いずれにしても大変喜ばしいことではあります。


こうなると演目もますます楽しみ〜のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 292 わーい(嬉しい顔) vs 293 ふらふら)
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2008年01月25日

蓮念・遍念

hanako.JPG1月24日付夕刊の「坂東玉三郎特別舞踊公演」(二月松竹座)の告知の中で

一、連獅子 
狂言師右近後に親獅子の精 市川海老蔵
狂言師左近後に仔獅子の精 尾上右近   に加えて、

法華の僧 蓮念 坂東竹三郎
浄土の僧 遍念 坂東薪車
        <2/5訂正>

の配役が掲載されています。
あれ?これって前から発表になっていましたか?気づきませんでしたが。先日松竹友の会から届いたばかりの公演のチラシにも記載はないし、歌舞伎美人のサイトでもまだアップされていないようです。

玉三郎・菊之助・海老蔵+右近くんの顔合わせだけでもスペシャル感満杯なのに、竹三郎・薪車親子までついてくるなんて、ごちそう過ぎぴかぴか(新しい)


観るのは1回でガマンできるかしらの地獄度 ふらふら (total 291 わーい(嬉しい顔) vs 293 ふらふら)
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2008年01月22日

寿初春祝樽三連発

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浅草公会堂


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歌舞伎座


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新橋演舞場



お江戸の春は花ざかりのごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 291 わーい(嬉しい顔) vs 291 ふらふら)
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2008年01月21日

浅草初見参!

asakusa.jpg

興味はあったものの、これまで何となく足が向かなかった新春浅草歌舞伎。
8年目にして初見参です。

上の写真はプログラムに入っている役者さんへのメッセージシールを貼付するボード。
亀治郎さん、勘太郎くん、愛之助さんあたりに票が集まっているようです。

新春浅草歌舞伎 第一部
1月19日(土) 11:00 浅草公会堂 1階た列センター

「傾城反魂香」
浮世又平 中村勘太郎/女房おとく 市川亀治郎/狩野雅楽之助 片岡愛之助/土佐修理之助 坂東巳之助/土佐将監 市川男女蔵 ほか

「弁天娘女男白浪」
弁天小僧菊之助 中村七之助/南郷力丸 中村獅童/赤星十三郎 中村勘太郎/鳶頭清次 中村亀鶴/忠信利平 市川亀治郎/日本駄右衛門 片岡愛之助 ほか


『傾城反魂香』は、中村勘太郎の又平が私のツボにハマリまくりで、言葉が不自由な又平のもどかしさ、口惜しさ、懸命さがストレートに伝わってきて、芝居の間中ウルウルしてしまいました。土佐の名字が欲しくて、銀杏の前救出の使者に自分をやってくれと、吃音をもろともせず懸命に、顔を真っ赤にして将監に訴える又平がいじらしくて不憫で、胸がしめつけられるようでした。将監に見張りを命じられて花道入口で微動だにせずじっと先を見つめる又平。まばたきすらしないその姿が気になって、オペラグラスで何度ものぞいては、狩野雅楽之助の見せ場の芝居に集中できなくてコマッタ。大頭の舞での踊りのキレのよさ、美しさもさすがで、悲しみから一転、晴れやかな笑顔に、よかったね、とまた涙たらーっ(汗)

久しぶりに歌舞伎の舞台を観た市川亀治郎のおとく。ちょっと姉さん女房な感じでしっかり者、夫を思う気持ちは人一倍という役まわりはお手のものという印象でした。以前よりほっそりされたようで、立姿もキレイ。又平とともに、長年認められない、土佐の名字がもらえない哀しみがもう少し欲しいところでしょうか。11月歌舞伎座の中村吉右衛門と中村芝雀の又平・おとくが素晴らしかったと聞いていますが、若いお二人にもさらに精進を積んでいただいて、いつか歌舞伎座の本舞台でまた見せていただきたいと思います。

『弁天娘女男白浪』
中村七之助の弁天小僧菊之助はとにかく美しい。女方の時の美しさは周知のごとくですが、片肌脱いだ桜の刺青姿も錦絵のようでした(思わず舞台写真買っちゃいましたよ)。すべてに品がよくて、もう少しワルというか、不良少年っぽいところがあってもいいかなというカンジですが、悪事がバレて正体をあらわす場面、一旦下を向いてから意を決したようにカッと目を見開いて顔を上げる時のあの鋭い目つきは、これまでの七之助になかった表情で、観ていてゾクゾクしました。

狩野雅楽之助と日本駄右衛門、両方の作品に重要な役回りで出演していた片岡愛之助。相変わらずキレのいい口跡と動きで安定感バツグン。第二部の与三郎も観たいところでしたが。

位置情報 お年玉の年始ご挨拶は中村獅童。客席からの質問を受け付けたりして時間超過。「あれ?俺今日しゃべり過ぎてるな」ですって。『トゥーランドット』では歌も2曲披露されるそうです。

位置情報 お隣に座ってらした年配のご夫婦はこの舞台に出演されているお孫さんを見にいらしたそうで、ご当人が舞台に登場するたびにハラハラドキドキうれしそうに見守っていらっしゃるご様子が微笑ましい。浜松屋の丁稚 長松役の北薗亮太くん。こども歌舞伎体験教室からご本人がとても気に入って喜んで出演されているのだとか。将来の愛之助さんかも?

位置情報 直前になって取れた座席は1階の最後列だったのですが、思ったより舞台はよく見えました。花道横で、『弁天娘女男白浪』の稲瀬川勢揃いの場では、揚幕からヌッといきなり傘が出てきて、その後しばらくあってからおむむろにご本人登場、と一人ずつの出が間近で観られておもしろかったです。

エコバックにセロテープ・・・浅草はグッズもたくさんでびっくりのごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 290 わーい(嬉しい顔) vs 291 ふらふら)
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2008年01月08日

名古屋にこんぴらに浪花もある

関西・歌舞伎を愛する会の会報「大向う」に、四月に上演される2つの歌舞伎公演の配役が掲載されていました。

名古屋御園座 陽春大歌舞伎 (4/1 初日−25 千穐楽)
昼の部:
○ひらがな盛衰記 
 梶原源太景季  染五郎
 腰元千鳥    芝雀
 梶原平次景高  歌昇
 母延寿     東蔵

○鬼平犯科帳 −大川の隠居− 
 長谷川平蔵   吉右衛門
 船頭友五郎   歌六
 小房の粂八   歌昇
 同心木村忠吾  松江
 平蔵妻・久栄  芝雀

夜の部:
○松浦の太鼓
 松浦鎮信    吉右衛門
 源吾妹お縫   芝雀
 大高源吾    染五郎
 宝井祖其角   歌六

○閻魔と政頼 
 鷹匠政頼    吉右衛門
 赤鬼      松江
 青鬼      種太郎
 閻魔大王    左團次

○与話情浮名横櫛 
 与三郎     染五郎
 お富      芝雀
 蝙蝠安     歌昇
 鳶頭金五郎   左團次

う〜ん、染五郎さんの与三郎は観てみたい。似合いそうだし。
でもいくら鬼平好きでも、閻魔様と両方去年観たしなぁ。


四国こんぴら歌舞伎大芝居   (4/5 初日−23 千穐楽)
第一部
○双蝶々曲輪日記 角力場 
 濡髪長五郎   市蔵
 山崎屋与五郎・放駒長吉 松也

○太刀盗人
 すっぱの九郎兵衛 男女蔵
 田舎者万兵衛   亀寿

○歌舞伎十八番の内 暫 
 鎌倉権五  海老蔵
 成田五郎  男女蔵
 鹿島震斎  亀寿
 小金丸   尾上右近

第二部
○夏祭浪花鑑 
 団七九郎兵衛・お辰  海老蔵
 一寸徳兵衛      男女蔵
 玉島磯之丞      松也
 釣船三婦       市蔵
 団七女房お梶     右之助

○供奴 
 奴      尾上右近

こちらは一部、二部甲乙つけがたし。いや、たぶんどちらもチケット取れないのですが。
(ちなみに琴平町役場の抽選申し込みは1月10日からです。)


四月は浪花花形歌舞伎もあるしなぁの地獄度 ふらふら (total 285 わーい(嬉しい顔) vs 289 ふらふら) 
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2007年12月24日

顔見世みやげ

12月22日(土)に京都南座で顔見世昼の部を観劇しました。
この日は某企業のご招待貸切公演で、ときどきチケットをいただくのですが、お芝居は元より、
豪華なお弁当やお土産もお楽しみのひとつ。

例によって、かわいい舞妓さんが手渡してくれる
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こんな包みの中は
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とてもおいしいお弁当
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そして今年のお土産は
お弁当を包んであったこの風呂敷
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我當・秀太郎・仁左衛門
松嶋屋三兄弟のサインと銀杏の紋入り
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この公演のための特製で風呂敷のいろいろな包み方の解説書つき
なーんて粋なお土産かしら
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ちゃんと番附(舞台写真入り)も入っていましたのごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 278 わーい(嬉しい顔) vs 280 ふらふら)
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2007年12月12日

市川海老蔵の「夏祭浪花鑑」

このところ、来年の舞台情報が続々と届いていますが、「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の演目も発表されています。

「四国こんぴら歌舞伎大芝居」
平成20年4月5日〜23日

第1部(11:00開演): 「暫」 「双蝶々曲輪日記」 「太刀盗人」
第2部(15:00開演): 「夏祭浪花鑑」 「供奴」
出演: 市川海老蔵・市川右之助・片岡市蔵・市川男女蔵 ほか


歌舞伎十八番の「暫」も見応えありそうですが、やはり「夏祭浪花鑑」でしょう。
海老蔵さん、今夏の「女殺油地獄」に続いて上方もの挑戦ですね。しかもお辰と2役を演じられるとか。あの「こちの人が好くのは・・・ここでござんす」っていう名セリフをどんなふうに放ってくれるでしょう。金丸座の独特の雰囲気も「夏祭浪花鑑」にぴたりハマル気がします。


それにつけても「こんぴら歌舞伎」チケット取るのは至難のワザの地獄度 ふらふら (total 276 わーい(嬉しい顔) vs 275 ふらふら)
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2007年12月04日

當る子歳吉例顔見世興行 夜の部(弐)

IMG_2853.jpg盛りだくさんの夜の部。
花形役者も多く、一人一演目出演、といった趣ですので、最後の「三社祭」を踊る尾上菊之助に至っては、やっと登場するのは9:30過ぎです。

そんな中、「梶原平三誉石切」の俣野五郎景久、「寿曽我対面」の八幡三郎、そして「河内山」の宮崎数馬と3役を与えられ、相変わらず明瞭な語り口で手堅くこなした片岡愛之助の活躍が目を引きます。俣野景久と宮崎数馬なんて、見た目も性格?も正反対の役柄をきっちり演じ分けていました。(“数馬”というと別の数馬を思い出してキュンとなっちゃいますが)。

演じ分けといえば、「河内山」での片岡仁左衛門の歯切れのいい江戸っ子口調と使僧・北谷道海に化けた時の何とも品のある悠々とした立ち居振る舞い、話し方の切り替えも見事でした。玄関先で正体がバレて啖呵を切るところ、「馬鹿めっ」と捨て台詞を残して去っていく姿なんて、悪人なのですが思わず喝采を贈りたくなるような、胸のすくカッコよさ。

坂田藤十郎は喜寿記念「京鹿子娘道成寺」の白拍子花子。
満開の桜の下の登場では「ほ〜っ」と客席からため息が漏れました。まるで羽子板に描かれた押し絵のような可愛いらしさ。上演時間は40分なので、ぎゅっと圧縮版なのですが、最後の鐘入り、ウロコの着物へのぶっ返りまで、艶やかにたおやかに時には情熱的に、一気に見せていただきました。「喜寿記念だよね?」「喜寿って77歳だよね?」

中村亀鶴、坂東薪車の二人が、10月歌舞伎座の「奴道成寺」と同じく所化さんの先頭で出てきたのでちょっと笑っちゃいました。

IMG_2859.jpg藤十郎さんの手ぬぐいは昨年の松竹座の襲名披露興行の時にもいただきましたが、同じ柄ながら今回は、顔見世興行と南座の文字が入っていました。



米寿だって白寿だって踊れそうのごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 274 わーい(嬉しい顔) vs 273 ふらふら)
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2007年12月03日

當る子歳吉例顔見世興行 夜の部(壱)

kinnosuke.jpg當る子歳吉例顔見世興行 夜の部
12月1日(土) 4:20pm 京都南座 1階5列センター


今年の顔見世興行は、二代目中村錦之助の襲名披露を兼ねています。錦之助さんのまねきにはちゃんと右肩に「信二郎改め」と書いてありました。小さいけれど、見えるかしら?

夜の部の披露狂言は「寿曽我対面」
配役:曽我五郎時致 信二郎改め錦之助/曽我十郎祐成 菊五郎/大磯の虎 秀太郎/化粧坂少将 松緑/八幡三郎 愛之助/小林妹舞鶴 時蔵/鬼王新左衛門 梅玉/工藤左衛門祐経 富十郎

出演者が勢揃いする対面の場は襲名披露狂言らしくとても華やか。
錦之助の師匠にあたる中村富十郎が敵役の工藤左衛門祐経と劇中で行われる襲名口上の紹介役を務めます。舞台上手にでんと構える工藤祐経は存在感たっぷり。富十郎さんは時にセリフでドキドキさせてくださいますが(笑)、今回はそんなこともなく、ぴたりと決まったさすがの名調子に聞き惚れました。出演者代表で口上を務めた尾上菊五郎とともに、錦之助を見守る眼差しがとても温かかったです。

居並ぶ出演者の中では、舞鶴の中村時蔵が華やかで美しく、その場を仕切る押し出しもあって、とても印象的でした。弟さんの襲名に、名実ともに花を添えたという感じです。

そして中村錦之助。
初日が開いてから2日目で、緊張感もりきみもアリアリ。ですが、その力の入りようが血気にはやるこの曽我五郎のキャラクターにはうまくハマっていて、最初に曽我五郎と聞いた時、錦之助さんのニンと違うのでは?と思いましたが、そんなこと余計なお節介、と言わんばかりの熱演でした。元より姿形の美しい人ですから、一つひとつの型はピタリと決まるし、工藤に向かってじりじり進んで行くあの場面は、緊張感もひとしお(セリフのドキドキはここにあったか!と観ている方も超緊張)、形の美しさとも相まって、まるで錦絵を見るようでした。


劇中にて襲名口上申し上げ候のごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 273 わーい(嬉しい顔) vs 273 ふらふら)
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2007年12月02日

乗り遅れたッ!!

IMG_2834.jpg京都南座にて「吉例顔見世興行」夜の部観劇。

4時20分に始まって、終演は午後10時10分 目
それから京阪電車に乗って、地下鉄に乗って、ダッシュしたけど・・・最寄り駅までの終電に乗り遅れましたっバッド(下向き矢印)

最後の演目「三社祭」「俄獅子」では途中退席する人も多く、空席の目立つ客席を眺めながら、これでは役者さんに失礼だしお気の毒、
なんて考えている場合ではありませんでした。

これから南座へお運びの皆さま、心してご覧なさいましょう。


帰宅した時には日付変わってましたの地獄度 ふらふら ふらふら (total 272 わーい(嬉しい顔) vs 272 ふらふら)
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2007年11月14日

如月も弥生も玉三郎

うわっひらめきです。
南座の吉例顔見世興行の松竹友の会先行発売が始まった今日、チケットホン松竹(関西)インフォメールからこんなビッグニュースが・・・。

大阪松竹座 「坂東玉三郎 特別舞踊公演」
平成20年2月5日〜26日 14:00開演 (2/8・15・22は18:00開演)

■「連獅子」 長唄囃子連中
  狂言師右近後に親獅子の精 市川海老蔵
  狂言師左近後に仔獅子の精 尾上右近

■「京鹿子娘二人道成寺」 竹本連中/長唄囃子連中〜道行より押戻しまで
  白拍子花子  坂東玉三郎
  大館左馬五郎 市川海老蔵
  白拍子花子  尾上菊之助


シネマ歌舞伎で2人の花子が出揃った最初の場面観た瞬間鳥肌がたって、何故だか涙がぽろぽろ出た演目。歌舞伎座に観に行かなかったことを死ぬほど後悔していたのですが、松竹座で観ることができるなんて!しかも押戻しつき!!しかもしかも左馬五郎は市川海老蔵!!!美しい3人ハートたち(複数ハート) 松竹さんアリガトーってカンジです。楽しみすぎてテンション急上昇グッド(上向き矢印)

玉三郎さんは3月にも南座で中国江蘇省蘇州昆劇院との合同公演 『坂東玉三郎 中国・昆劇 合同公演』 (牡丹亭/楊貴妃)が組まれていて、来年の関西の春は、玉三郎さんとともにやって来そうな気配ですムード


海老蔵さんの獅子も見モノですのごくらく度 わーい(嬉しい顔)   (total 266 わーい(嬉しい顔) vs 265 ふらふら)
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2007年11月03日

花のほかには松ばかり

yakko.jpg月曜日も朝早くから仕事だし、「牡丹灯籠」だけで失礼しましょうと思っていたのですが、「坊さんのほとんどが平成うまれの十代の子ばかりですから、引率の先生に見えへんか心配です」ご自身のブログに書いていらした薪車さんはじめ、亀鶴さん、隼人くん、右近くん・・・と若くてイケメン揃いの所化さんsを観ない手はないと居残り。

芸術祭十月大歌舞伎 夜の部 「奴道成寺」
白拍子花子実は狂言師左近: 坂東三津五郎
所化: 坂東亀鶴 坂東薪車 中村萬太郎 坂東巳之助 中村壱太郎
    坂東新悟 尾上右近 中村隼人 坂東小吉 ほか


去年から今年にかけて観ただけでも、「京鹿子娘道成寺」「京鹿子娘二人道成寺」(シネマ歌舞伎)「男女道成寺」・・・「傾城道成寺」っていうのもあるのですね。いったいいくつあるんだ道成寺!と思いながら、「奴道成寺」は初見でした。

“花のほかには松ばかり 花のほかには松ばかり”というおなじみのフレーズにのって白拍子花子登場。だけど烏帽子をとると月代姿で、実は男、狂言師左近だったという設定で、立役で踊る道成寺です。

小さい人から大人まで、所化さんひとりずつに左近とからむなどの見せ場があり、坂東玉雪さんと坂東功一さんの名題昇進お披露目口上も間にはさまれて、とても楽しい道成寺でした。ちなみにこの坂東功一さん、昨秋観た「天守物語朗読の会」で図書之助を担当された方。「玉さま好みの美形」と思ったものでしたが、下手に一列に並ぶ所化さんの両端に薪車さんと功一さんが構える姿は眼福でございました〜黒ハート

三津五郎さんの踊りは相変わらずキレ味よく軽快です。「恋の手習い」を、三つ面(おかめ、お大尽、ひょっとこ)をつけ替えて踊るところは、どんどんスピードアップしていくのに少しも乱れず、手の先足の先まできっちり表情を踊り分けていて、やんやの喝采をあびていました。(三津五郎さんのHPにこの三つ面の写真と面をつけての踊りの工夫が公開されています。)

花四天が登場して舞台上の色も動きも一気に華やかさを増し、花四天のアクロバティックな動きに目を奪われているうちに鐘入り。いつもは蛇柄の衣装にぶっかえりとなるところ、鮮やかな赤地に枝垂桜がとても華やか。ひときわ明るく印象的な幕切れの道成寺でした。

鐘に恨みは数々ござるのごくらく度 わーい(嬉しい顔) (total 262 わーい(嬉しい顔) vs 261 ふらふら)
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2007年10月30日

通し狂言 怪談牡丹燈籠

botan2.jpg芸術祭十月大歌舞伎 通し狂言 「怪談牡丹灯籠」
10月21日(日) 4:30pm 歌舞伎座 1階7列上手

原作:三遊亭円朝  脚本:大西信行  演出:戌井市郎
出演: 片岡仁左衛門 坂東玉三郎 坂東三津五郎 中村錦之助 
片岡愛之助 坂東竹三郎 上村吉弥 中村七之助 中村吉之丞 他


ほんとに怖ろしいのは幽霊ではなくて人の心。業であり性。
劇中たくさんの人が死ぬけれど、不思議と後味の悪さの残らない、おもろうてやがて哀し、とても見ごたえのある人間ドラマでした。

怪談といってもこのお芝居に出てくる幽霊は二人きり−その二人が一番純粋だったりします。新三郎(片岡愛之助)に一途に恋焦がれて、焦がれ死にするお露(中村七之助)と、そのお露を思って殉死する乳母のお米(中村吉之丞)−このお米の幽霊は上手かったな。水から引き揚げられたみたいに肩を落として腕をだらりとたらして、震える声・・・見たことないけど、幽霊ってかくありなん、という感じです−この二人の死を発端に、いろんな人間模様が巡り始めることになります。

お露ちゃんファミリー: お露−乳母・お米−父・平左衛門−継母・お国−情夫・源次郎
お峰さんファミリー: 萩原新三郎−下男・伴蔵−女房・お峰−ご近所・お六


この2つのファミリーをつなぐのはお国(上村吉弥)。
お露の父 平左衛門(坂東竹三郎)の後妻で、隣家の次男坊源次郎(中村錦之助)とよい仲で、源次郎を養子にして跡取りにして財産を手に入れようと目論むも、叶わぬと知るや源次郎をけしかけて平左衛門を殺させ、たまたま目撃した女中のお竹(中村壱太郎)まで殺させて出奔。やがて足の萎えた源次郎を養うために酌婦となり、その美貌から伴蔵の思われ人となります。

いや、すごかったです、吉弥さん。美しくて艶やかで強くて色っぽくて情念の発露には気圧されるほど。悪女なのでしょうけれど、「たとえ奈落の底までも」と源次郎への想いを貫いて、無数の蛍が舞う中で迎える死はとても凄絶で哀しい。
頼りにならない優男・源次郎がまたいいカンジでした。錦之助さんの端正でやさしいお顔立ちが、この源次郎のイメージにぴったり。やっぱり甘く美しくなければ、お国も惚れませんからね。
新三郎・お露と伴蔵・お峰の2組がどちらか一方が他方を殺めるのに対して、源次郎とお国はどちらも自害ともとれる死に方なのも印象的でした。源次郎とひとつ刀で死ぬことができて、もしかしたらお国は幸せだったのかな。

主演カップルの伴蔵(片岡仁左衛門)・お峰(坂東玉三郎)は、もう、本物のご夫婦なのでは?と思っちゃうくらい息ぴったり。ほほ寄せ合ったりしちゃって、じゃれ合う時も喧嘩する時も、ほんとうに自然なやり取りです。

「阿古屋」のように圧倒的な美しさと存在感で見せる役ではないけれど、お峰の玉三郎さんはやはり尋常で