初春花形歌舞伎 成田山開基1070年記念 通し狂言『雷神不動北山櫻』
出演: 市川海老蔵 中村芝雀 市川門之助 市川段治郎 澤村宗之助
市川猿弥 大谷友右衛門 ほか
1月19日(土) 4:30pm 新橋演舞場 1階5列下手『雷神不動北山櫻』は、寛保2年(1742)初演(266年前!)。
歌舞伎十八番『毛抜』『鳴神』『不動』の三作品は、全てこの『雷神不動北山櫻』の一幕として上演されたものなのだそうです。鳴神上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王の5役を市川海老蔵が勤めます。
「市川海老蔵の5役」「空中浮遊イリュージョン」と話題満載のこの公演。初春らしい明るく華やかで楽しい仕上りの舞台でした。「毛抜」と「鳴神」のつながりもなるほどそういうことだったのか〜とわかったり、歌舞伎のお勉強にもなりました。
一番のお気に入りは大詰めの「朱雀門王子最期の場」。朱塗りの美しい朱雀門を背景に、梯子を使った派手な殺陣、次々にトンボを切る四天、そして早雲王子の豪快な見得、と、歌舞伎の醍醐味満載、とても華やかでワクワク感もたっぷりの場面でした。
幕開き ひとり紋付袴で正座しての物語と役の説明から、まさに“市川海老蔵奮闘公演”といった趣ですが、お客様目線のご挨拶ぶりに座頭としての強い自覚と責任を感じました。5役の中では悪役ながら早雲王子がこの物語の主役と目され、存在感も力の入れようもバツグン。悪役とはいえ陽成天皇の兄にあたる役なので、品は不可欠、カリスマ性も感じさせて、こんな役はほんとによくお似合いです。女好きの安倍清行ではふわ〜んとしたやんごとなき雰囲気に、光の君が思い出されました。最後に登場する不動明王の“イリュージョン”はご愛嬌かな。
見どころたっぷりのおもしろい舞台なのですが、盛りだくさんすぎて一つひとつの物語があっさり過ぎていくのが玉にキズといったところ。5役なので早替わりももちろんアリなのですが、早替わりで登場しても「おお〜っ」と客席がどよめく感が少ないのが気になります。見せ方というか、演出の問題でしょうか。
『鳴神』の雲の絶間姫は、私が歌舞伎の女方だったらやりたい役 No.1 なのですが、今回中村芝雀の雲の絶間姫がとてもよかったです。可愛くて艶っぽくて、だけど品も失わないマダムといった感じ。これならさすがの上人も堕とされちゃうのも納得です。
この狂言を初演した2代目市川團十郎は、成田不動尊の申し子とも伝えられているとか。演舞場2階のロビーでは、開基1070年を記念して成田山新勝寺から不動尊の出開帳が行われていました。そんなことからも、歌舞伎界にとってやはり市川宗家「成田屋」が別格の存在であることを改めて印象づけられた舞台でもありました。

三幕目「木の島明神境内の場」では、安倍清行(市川海老蔵)を探して、文屋豊秀(市川段治郎)と紀定義(市川欣弥)が客席通路を徘徊・・・そこに安倍清行ご本人も登場して「降りてみようかの」と客席に降りて来たのでやんやの大歓声

そういえば大阪松竹座の「沼津」でも藤十郎さんと我當さんが客席歩いてたし、浅草歌舞伎の「与三郎」でもそんな場面があったとか。客席歩くのが今年のお正月公演のトレンド?

2階客席の最後尾では、篠山紀信さんがずっと舞台にカメラを向けていらっしゃいました。紀信さんの撮影された美しい写真に彩られた2008年海老蔵カレンダーが発売中ですが、早くも来年のカレンダー用かしら、それとも新しい写真集の企画でしょうか。

終演後、東銀座方面へ向かって楽屋口を通りかかったところ、コートも着ないで黒づくめの服装をカッコよくキメた段治郎さんがすでにファンの方に囲まれていらっしゃいました。早っ
北山大滝の龍神は今まで見た中で一番立派のごくらく度

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